なにわに生きる 次代につなぐ

 2019年が明けた。平成と新元号をつなぐ節目の年となる。新しい時代をつなぎ、結ぶ年ともいえそうだ。時代が変わろうとする中、次の時代を担う人たちに、何を引き継いでいくのか考える時間でもある。関西地域の中核都市として大阪の発展は欠かせないが、主役はあくまでも大阪に暮らす人たち。本紙では年間企画として「なにわに生きる−次代につなぐ」と題し、今を生きている私たちが次代につなぐものは何かを取り上げる。

第1部「生きる力と教育」(3)

2019年1月5日

キャリア教育 働く親の姿が影響

大和リース大阪本社の子ども参観日で名刺交換に挑戦する参加者ら=大阪市内(大和リース提供)

 飛行機を操縦し、バスの中ではガイドさん。店内でピザを焼いたり、マヨネーズを作ったり。兵庫県西宮市の「キッザニア甲子園」は、子どもが主役の街。制服姿の子どもらが目を輝かせ、“お仕事”に打ち込む。

 キッザニア甲子園は、2009年3月のオープンから毎年来場者が70万人を超えるという人気ぶり。リピーターが「6〜7割」を占める。

 小学校の校外学習や修学旅行の人気スポットになっているのも大きな特徴。近年はオープン当初から実施している英語の取り組みが好評を得ており、英語プログラムが充実する水曜に「団体予約が集中する」という。

 同施設事業部の林実営業部長は「学校教育に、いかに寄り添うかがキッザニアの生命線。教育現場のフォローというとおこがましいが、学校ではできない体験を提供するよう意識している」と話す。

■身近な大人

 学校内にとどまらない子どものキャリア教育に、今何が求められているのか。人材サービス会社アイデム(東京)は、親の働いている姿を「見たことがある」子どもは、将来働くことを楽しみに感じている傾向にあるという調査結果を発表した。

 調査はインターネットで行い、小学1年〜高校3年の子どもと一緒に回答できる男女3489人が回答。将来働くのが楽しみと答えた子どものうち、高校1〜3年では父親の働く姿を「見たことはある」は75・7%に達し、「見たことはない」の58・0%を大きく上回った。

 「アイデム人と仕事研究所」の古橋孝美主任は「子どもが将来を考えるときには、身近な大人の働く姿が大きく影響する。大人が自身の働くことについて振り返り、考えることが必要ではないか」と指摘する。

■子どもの参観

 大和リース(大阪市中央区)は、2010年から子どもが親の職場を見学する「子ども参観日」を実施している。9回目となる18年は、全国にある39事業所で416人の子どもが参加した。

 大阪本社では、子どもらが勤務中の社員らを訪ねて回り、「いつもお世話になっています」と名刺交換。パズル形式で作成した書類は、上司役の親から押印をもらうなど“職場体験”を満喫、平日のオフィスフロアに和やかな笑顔が広がった。

 この取り組みは「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向けた取り組みの一環で、当日は全事業所統一のノー残業デー。イベントの準備なども重要な仕事として、まさに会社が推進してきた。

 本社で子ども参観日実行委員長を務めた業務推進グループの木本葵さんは「私も小学生の時に、会社見学会で父のデスクを見たのを貴重な体験として覚えている」という。

 訪ねる側から迎える立場に変わり、「社員も刺激を受けていて、家庭のコミュニケーションに効果は絶大」と改めて意義を実感していた。

 キャリア教育 子どもが自分の生き方や将来の仕事について考え、社会で自立する力を養う教育。職場体験や進路指導などさまざまな形があり、学校と地域、産業界、関係行政機関など連携の輪も広がっている。


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