大阪発 癒やしの温泉巡り

和歌山県・川湯温泉 「温泉民宿 大村屋」

2017年1月21日

アットホーム、ペットも可

大塔川の流れる川原の一角にたたずむ川湯温泉民宿管理の岩造り露天風呂

 2004年7月に世界遺産に登録された熊野三山の一つ「熊野本宮大社」の近くに湧く湯の峰、川湯、渡瀬の3カ所の「熊野本宮温泉郷」。世界遺産の「つぼ湯」をはじめ、同温泉郷には公衆浴場や大露天風呂などの気軽に入れる日帰り入浴施設が点在する。

 私は、三重県尾鷲市の出身で、1975年から大阪市内で弁護士をしている。正月休みやお盆休みに尾鷲市に里帰りした時などに、今は亡き母や家族を伴って車で2時間足らずで行ける3カ所の温泉をよく訪れた。そのためこれら温泉は、私にとって日本で一番身近な存在で、その愛着心も強い。

 この中で「川湯温泉」は、回りが大空の広がる一番開放的な温泉で、すぐ目の前を流れる大塔川の川原に73度の高温で多量の湯が湧き出る全国でも珍しい温泉だ。また冬の川湯の風物詩「仙人風呂」でも有名な温泉である。

 川湯温泉は、大塔川に沿って湯宿が横に並ぶ。「冨士屋」や「亀屋旅館」、そして「山水館川湯みどりや」などの老舗旅館や大型旅館もあるが、リーズナブルかつペット同伴も可能でアットホームな宿が「温泉民宿 大村屋」。この宿は、73年に警察を退職した初代が創業し、91年に2代目大村良子さんが経営を引き継いだ。

 私は、津地方裁判所熊野支部での刑事裁判に弁護人として出廷する前日の昨年10月2日晩に初めてこの宿に宿泊した。この宿の一番の良さは、若女将をはじめとしたアットホームで家族的な暖かみのある宿であること。客も家族連れやグループが中心で、気楽に過ごせる。温泉は、源泉掛け流しの天然温泉。男女別のこぢんまりした内風呂と大塔川の流れる川原の一角にある開放的な岩造りの露天風呂(川湯の5軒の民宿で管理)に入ることができる。

 2号館の食事処では主に地元の旬の山里川海の幸を存分に使ったこの宿自慢の会席料理「満福御膳」をおいしくいただける。さらにこの宿はリニューアルを何度も実施し、施設は充実している。部屋も1号館の本館、ペットも泊まれる2号館のかじかの宿、3号館の別館があり、それぞれ快適な空間を提供する。さらに川湯温泉には、「川湯温泉公衆浴場」(午前8時〜午後9時、250円)、そして冬の12月〜2月には大塔川をせき止めた名物大露天風呂「仙人風呂」(午前6時半〜午後10時、無料)がある。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

【所在地】和歌山県田辺市本宮町川湯温泉
【電 話】0735(42)1066
【宿泊料金(2人1室、1人1室)】平日8800円(1泊2食、税・サービス料込み)〜、休前日9300円(1泊2食、税・サービス料込)〜
【定休日】不定休
【日帰り入浴】午後2時〜午後8時
【入浴料金】大人450円、小人200円ただし川原の露天風呂は無料(正午〜午後10時)
【交 通】JR紀勢本線紀伊田辺駅から龍神バス本宮大社方面行きで約1時間40分、川湯温泉下車すぐ