大阪発 癒やしの温泉巡り

大阪府能勢町 汐の湯温泉

2017年4月29日

身も心も温まる“出湯”

珍しい小林一三の句碑が迎えてくれる「汐の湯温泉」

 「能勢の妙見さん」「浄瑠璃の里」の能勢町には、900年も昔の源平の時代から湧く温泉がある。その源泉を中庭に持つ旅館が「汐の湯温泉」だ。大阪、神戸の市街地から1時間ほどの便利さながら、ひなびた風情の“出湯”が身も心も温めてくれる。

 その昔、源満政公が、ここ汐の湯で大病を治した伝承がある。現在の汐の湯温泉の中庭に、井戸のような石造りの囲いがあり、のぞくと、ブクブクと源泉が踊っている。泉質は、含二酸化炭素Iナトリウム・カルシウム炭酸水素塩 塩化物泉。冷泉を加温している。

 こぢんまりとした浴室は1階、2階に分かれていて、基本は透明な「白湯」と、鉄分を含む「赤湯」の2種類。2階には、冷泉のままの掛け流しも。1、2階を週替わりで男女別に使い分けている。湯は、肌に邪魔な刺激がなく、やんわりと体全体を包み込む。

 中庭を囲む建物は、昭和初期の数寄屋造り。もともと、地元の名士たちの社交の場だったようで、阪急電鉄の創業者、小林一三の来訪もあったという。昭和30年代に旅館になった。玄関先には、小林一三の句碑「白旗の 源氏の村の 若葉かな」がある。館内のサロンは重厚な洋室で、風呂上がりにくつろげる。

 食卓には、冬にぼたん鍋、春は山菜、夏に渓流の魚、秋は、いまだに顔を出すマツタケ。湯とグルメで「命の洗濯」としゃれ込もう。

 (日本旅のペンクラブ会員 井上年央)

  ●温泉のプロフィル●
【所在地】大阪府豊能郡能勢町森上
【電 話】072(734)0021
【定休日】毎週水曜日
【宿 泊】6室(計30人)、1泊2食の料金は1人1万5千円〜
【日帰り入浴】午前11時〜午後5時まで
【入泉料】大人千円、小人300円
【交 通】
・能勢電車・山下駅下車、阪急バスの能勢町宿野行に乗り、汐の湯温泉前で下車
・車の場合は、阪神高速の池田木部ICで降り、国道173号を園部方面へ