大阪発 癒やしの温泉巡り

静岡県・南アルプス 赤石温泉「白樺荘」

2017年5月6日

秘境で頭を空っぽに

白樺の木々と南アルプスの山々に囲まれた南アルプス赤石温泉の一軒宿「白樺荘」

 SLの走る鉄道として有名な大井川鉄道と南アルプスあぷとラインの終点井川駅からさらに北方奥へバスで約1時間走る。そこに南アルプス南麓の最奥地に湧く「南アルプス赤石温泉」がある。南アルプス南部に連なる日本百名山の赤石岳や荒川三山等の登山口である畑薙(はたなぎ)第一ダムの下流約4キロの奥大井エリアに位置する。

 同ダムは、私が30年以上も前に日本百名山全山登頂を目指して南アルプス南部の山々を登頂していた際によく訪れていた場所である。赤石温泉は、豊かな大自然を満喫しながら頭を空っぽにできる秘境の温泉だ。その温泉の一軒家が、静岡市営の温泉施設「白樺荘」である。

 1966(昭和41)年に主に南アルプスの登山者のための簡素な温泉付き山小屋としてオープンした。86年8月には皇太子さまも登山の際に訪れている。施設が老朽化したため、全面的に建て替え、2009年、白樺の木々の中に建つ明るくモダンな山小屋風温泉施設としてリニューアルした。

 私は、4年前から毎年4月初めに満開の桜と秘湯を求めて、大井川鉄道沿線と寸又峡温泉、そして奥大井地区を旅している。4回目の今年は、4月7日から9日まで訪れたが、運悪く桜の開花が遅れたうえ、雨天続きであった。しかしながら恒例となった静岡奥地への旅は、今村峰夫弁護士らと一緒だったこともあり楽しいものとなった。

 4月7日に宿泊した「白樺荘」は、昨年日帰り入浴だけで訪れていたが、宿泊するのは今回が初めてである。温泉の泉質は単純硫黄泉で、やや白みがかった湯。入浴すると独特のぬるぬる感があり、神経痛・関節痛・皮膚病等に効能あり。浴場は、男女別の大浴場と露天風呂の他、小ぶりな内風呂と露天風呂のある多目的浴場を備える。露天風呂からは畑薙第二ダム湖を前景に雄大な茶臼岳(2604メートル)などの南アルプス南部の山々を見ながら入浴を楽しめる。

 料理は、地元でとれる鹿刺し・ヤマメ・山菜等奥大井ならではの山川野の食材を使った素朴な食事を味わえる。宿泊室は、洋間8室、和室2室の合計10室(2人部屋7室、4人部屋=2段ベット=3室)がある。

 都会での生活に疲れたら、静かで美しい大自然とおいしい空気、そしてひなびた温泉以外には何もないこの温泉宿に遠い関西からでもぜひ一度は出掛けてほしい。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

【所在地】静岡市葵区田代1110の5
【電 話】054(260)2021
【部屋数】洋間8室、和室2室(定員26人)
【宿泊料金】1泊2食付6990円、夕食1850円、朝食1030円、素泊まり4110円(いずれも料金は税込み・サービス料なし)
【日帰り入浴】午前10時〜午後6時(12月〜3月は午前10時〜午後5時)
【入浴料金】大人510円、小人200円
【営業期間】通年営業
【定休日】毎週火曜日(祝日の場合は翌平日)。ただし8月と11月は無休
【交 通】
・大井川鉄道井川駅から自主運行バスで約1時間
・東名高速道路静岡ICより車で約2時間40分(約85キロ)