大阪発 癒やしの温泉巡り

岐阜県下呂市 濁河温泉「朝日荘」 《 下 》

2017年8月19日

良質の湯と郷土料理堪能

夕食のメイン料理としておいしくいただいたこの宿自慢の飛騨牛しゃぶしゃぶ

 御岳山北西方の裾野、標高1800メートルに位置する癒やしの秘湯の宿「朝日荘」。宿の魅力の一番は、良質の温泉だ。

 二つ目の魅力は、四季を彩る山間の風情の中で、山川野の旬の素材を使った郷土料理をいただけること。夕食は通常プランの他、A5ランクの上質飛騨牛プラン、またはシシやカモなどの季節の鍋プランを自分の好みで選べる。飛騨牛のしゃぶしゃぶやタタキ、イワナの炭火焼き、アツアツの山菜天ぷら、そして朝食時には飛騨名物の朴葉みそ(自家製)などをおいしく味わえる。食事は、掘りごたつ式で仕切りのある専用の食事処(どころ)でゆっくりグループや家族ごとに楽しめる。

 三つ目の魅力は、パブリックスペースが充実していること。宿泊客専用の多数の漫画本や雑誌などを備え、セルフでコーヒーや紅茶をいただけ、夕食後はゆっくりお酒などを飲んでくつろげる、雰囲気のいい小粋なラウンジ「くつろぎ処」、玄関を上がって左手すぐにあるカマクラを型どった「談話室」などを備える。

 四つ目の魅力は、館内が何よりも清潔で、無駄な飾りを廃しシンプルで落ち着いた雰囲気を作り出していること。ロビーや館内通路はほぼ畳敷きで心地よく、冬期は客室も含めて温泉熱を利用した床暖房が施されている。また12の客室からは、雄大な御岳山、もしくは遠くに白山を望むことができる。

 五つ目の魅力は、周りの環境が四季折々の自然と対峙(たいじ)できる非日常の時間を味わえること、そして見どころがたくさんあること。周辺は夏でも涼しく、御岳山山頂からでも直線距離で6キロメートル足らずの位置にあって、都会では味わえない別世界を演出する。さらに徒歩2分の場所にある「白糸の滝」、夜はライトアップされる「緋の滝」、道中ヒノキの自然が美しい「仙人滝」、宿から約5時間で登れる御岳山登山、1周約1・6キロメートル、約40分で回れる遊歩道散策、そして市営濁河(にごりご)温泉露天風呂などがある。

 3代目ご主人の松坂靖さんは、将来の抱負について「御岳山の大自然と共生しながら、この秘湯の宿を大切に守っていきたい。お客さまの日頃の疲れを癒やしに一度は来ていただきたい」と話している。

 遠い関西からでもぜひ一度は訪ねてほしい貴重な秘湯の宿といえる。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

【所在地】岐阜県下呂市小坂町落合2383
【電 話】0576(62)3528
【部屋数】和室12室(定員45人)
【宿泊料金】(2人1室1泊2食付き)1万6千円〜(税・入湯税別)、飛騨牛料理付1万8千円〜(同)
【日帰り入浴】営業時間午後2時〜同6時(要確認)
【入浴料金】大人800円、小人500円
【交 通】
・JR高山駅→(14:10分発、バス約90分)濁河温泉(宿へ要予約)
・中部縦貫道高山IC→(車で約80分)宿