大阪発 癒やしの温泉巡り

奈良県宇陀市 大宇陀温泉あきののゆ

2017年8月26日

歴史と湯の香り 風情楽しめる

自然がいっぱいで、夏でも涼しい高原の温泉「あきののゆ」

 奈良県のほぼ中央部、大和高原に連なる高台に1999年オープンの日帰りの湯(公設民営)だ。近くには、国選定の伝統的建造物群保存地区「宇陀松山」がある。城下町の歴史と、湯の香りが織りなす風情を楽しめる。

 地下約1300メートルから湧く源泉は、単純温泉でpH値が9・6と高い。奈良県内屈指の美人の湯という定評があり、しっとりとした湯の触感に納得だ。浴室は、洋風の「あでやか」、和風の「やわらぎ」があり、日替わりで男湯、女湯に使い分けている。

 露天風呂のほかに、薬湯がある。宇陀の地は昔から薬草が多く、「薬猟(くすりがり)」の風習があった。今も地元で栽培されている「大和当帰(とうき)」の成分がしみ出すお湯と、温泉の両方に入れるのも魅力だ。

 併設の温泉プール(水着着用)は多世代に人気が高く、リゾート感覚で時間を忘れそう。

 温泉とグルメは切り離せないが、農家レストラン「しゃもじ」では、宇陀金ごぼうをはじめ、有機野菜などの地元の食材を提供する。ガーデンバーベキューは、3月から11月の土、日、祝日に営業している。

 自然に恵まれた高原の温泉らしく、明るい日差し、夜は満天の“星シャワー”がいかにもぜいたく。施設名称の「あきののゆ」は、どこか古風と思ったら、万葉の昔は「阿騎野(あきの)」という地名だったとか。「吉野」に通じる街道に湧いた温泉は、悠久の時間に生きている。

 (日本旅のペンクラブ会員 井上年央)

●温泉のプロフィル●
【所在地】奈良県宇陀市陀捨生250の2
【電 話】0745(83)4126
【定休日】毎週木曜日(4、8月は無休)
【宿 泊】なし
【日帰り入浴】午前10時から午後9時まで。
【入浴料】大人=平日700円、土日祝日・指定日800円、小学生=同じく350円、400円(いずれも温泉プール利用含む)
【交 通】近鉄大阪線鶴橋駅から青山町行き急行で榛原(はいばら)駅まで60分→奈良交通バス大宇陀行きで道の駅宇陀路大宇陀まで20分→「あきののゆ」まで徒歩20分。あるいは榛原駅からタクシーで20分。