大阪発 癒やしの温泉巡り

新潟県・村杉温泉 「風雅の宿 長生館」(下)

2017年9月9日

健康・長寿 多くの効能

見た目にもきれいな料理の数々が提供される長生館自慢の山海和食会席膳

 新潟県内の隠れ家的な温泉といえる五頭温泉郷。その中でも老舗で代表的な宿が、村杉温泉「長生館」である。私とこの宿との付き合いは古い。私は大の食べ歩き好きで、約35年も前からグルメ仲間30人ほどを集めて「大阪まんぷく会」を立ちあげ、京阪神のおいしい店の食べ歩きを続けている。会の特別編として約20年前に新潟を訪れ、宿泊してグルメを楽しんだのが長生館であった。

 私はこの宿が大いに気に入り、それ以来15回ほど訪れている。1979年から代表者兼女将(おかみ)を続け、宿を切り盛りしている荒木紀子さんとは特に親しく付き合いをさせてもらっている。同年は、ご主人が亡くなるという大きな試練の時期だったが、荒木女将は持ち前の不屈の精神力と行動力で乗り越えられた。

 疲れ知らずの女将、お客さまから愛され続ける女将として全国各地を飛び回り、80歳近くとなった今も日々活躍されている。まさに日本の宿を代表する女将の一人と言える。

 長生館のコンセプトは、「お客さまへ満足を提供し、お客さまに信頼され続けられる宿を目指すこと」。この宿の魅力は、荒木女将の他にもたくさん存在する。まず一つ目は、日本でも有数のラジウム温泉で、入浴や飲泉、そして気体(ラドン)を鼻や口から吸い込んで多くの効能が得られること。健康・長寿の温泉として広く知られる。浴場は、男女別の大浴場と約千坪の庭園大露天風呂(男性用は「白帝」、女性用は「彩雲」)を備え、大自然と一体となって入浴することができる。他に風情豊かな「茜瓦(あかねがわら)の湯」「木里(きり)の寝湯」「森の癒し湯」の三つの茶室風貸し切り風呂もある。

 二つ目の魅力は、五頭の自然をあるがままに映し出す約4千坪の庭園を設けていること。四季の移り変わる光景を客室や館内の至る所から間近に楽しむことができる。三つ目の魅力は、新潟の旬の山の恵みと海の恵みを素材とした日替わりの山海和食会席膳をおいしくいただけること。私が本年1月10日、雪の降る真冬に妻と一緒に訪ねた日にいただいた夕食は、名物の五頭山麗牛乳当富(豆腐)・旬菜盛り・村杉温泉伝統料理鯉(コイ)の飴(あめ)煮・海と川の地魚4種盛り・鱈(タラ)ソバの実蒸・厳選和牛のラジウム源泉蒸し・地元笹神産コシヒカリなど大満足の12種の料理の数々であった。

 四つ目の魅力は、自分の好みと予算に応じて27の客室から部屋を選べること。その中で一客一亭の持てなしを心ゆくまで味わえる離れ「五頭緑水庵」と「松濤亭」もある。五つ目の魅力は、女将、その長男の善紀専務、その妻の咲子若女将、そして宿のスタッフの方たちのいつも笑顔で接する素朴で心のこもった接客を受けられることである。善紀専務は「幸せの創造を理念にお客さまはもちろん、社員、その家族、そして社会に幸せを提供できる宿づくりを目指していきたい」と話していた。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

●温泉のプロフィル●
【所在地】新潟県阿賀野市村杉温泉4632の8
【電 話】0250(66)2111
【宿泊料金】(1泊2食)平日1万6千円(サービス料込み・税別)〜、休前日2万円(同)〜
【日帰り入浴】営業時間午前11時〜午後2時、午後6時〜同8時
【入浴料金】大人千円、小人600円
【定休日】なし
【交 通】
・JR新潟駅→宿(無料送迎バス約45分・要予約)、JR水原駅→宿(無料送迎バス約20分・要予約)
・磐越自動車道安田IC→(車で約15分)宿