大阪発 癒やしの温泉巡り

東京都・八丈島 「日帰り温泉巡り」(上)

2017年9月16日

島内7カ所で1番人気

景色を見ながらゆっくり入浴できる総ヒノキ造りの「ふれあいの湯」露天風呂

 私は、大阪市内で弁護士をしているが、2007年から毎年1〜2回、日本各地の離島を回ってボランティア法律相談会を行っている。裁判所もなく、弁護士もいないへき地の離島を訪れ、弁護士とは無縁な島の人たちの法律相談に応じて、少しでも法的サービスを提供したいと考えたからである。既に活動は10年以上に及んでいる。毎回関西を中心に10人ほどの弁護士らが手弁当で参加してくれているのもうれしい限りである。

 本年は5月25〜28日の期間、活動で初めて東京都にある伊豆諸島を訪れた。相談会を実施したのは、伊豆諸島の一番南に位置する八丈島とさらに南方に浮かぶ孤島青ケ島である。八丈島へは今から43年前に八丈富士(標高854メートル)登山のため訪れたのを手始めに、今回が4回目の訪問である。今回の訪問を利用して、温泉大好き人間の私は、八丈島にある7カ所の温泉のうちの6カ所の温泉に入った。

 もう30年以上も前に宿泊した南国温泉ホテルなどの温泉付きホテルは、いずれも廃業してしまっていて誠に寂しい限りであった。しかし、それに代わって7カ所の新たな日帰り温泉施設が営業しており、温泉に入れる八丈島の姿をとどめていたのである。

 八丈島は、東京から南へ287キロメートルの黒潮の帯の中に浮かぶ常春の南国情緒豊かな島だ。北西部に八丈富士、南東部に三原山がそびえ、ヤシ、シダなどの亜熱帯植物やハイビスカス、フリージアといった花々が島中に咲き誇る。その昔、江戸幕府は約2千人もの人々をこの島に流罪にした。その結果優れた技術や才能を持っていた流人によってつくられた独特の文化や生活様式が現在も残る。

 面積68・52平方キロメートル、戸数4392戸、人口7591人(2017年8月1日現在、なお、1950年には島の人口は1万2887人を数えた)を有し、集落は三根、大賀郷、樫立、中之郷、末吉の五つの地域に分かれる。

 今、営業している7カ所の温泉は、いずれも島の南東部の海辺に近い場所に湧く。中之郷地区に4カ所、末吉地区に2カ所、樫立地区に1カ所だ。まず市街地の坂下からも近く、島民の1番人気が樫立地区にある「樫立向里温泉・ふれあいの湯」。建物は、八丈島の杉やヒノキを使用し、総ヒノキ造りの内風呂と緑あふれる景色を見ながら入れる露天風呂がある。泉質はナトリウム−塩化物強塩泉、泉温58度(入浴用は適温に調整)、湧出量は動力揚湯の毎分460リットル。浴槽はかけ流しで、気持ちよく入浴できる。島のその他の6カ所の温泉は次週に紹介する。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

●温泉のプロフィル●
【八丈町営温泉 樫立向里温泉・ふれあいの湯(日帰り温泉)】
【所 在 地】東京都八丈島八丈町樫立1812の3
【電  話】04996(7)0788
【営業時間】午前10時〜午後10時
【入浴料金】大人300円、
小人100円
【定 休 日】毎週月曜日
【アクセス】バス停 「樫立温泉前」下車、徒歩約2分