大阪発 癒やしの温泉巡り

岐阜県・新穂高温泉 「槍見舘 湯めぐりの旅」 (上)

2017年12月9日

湯船から槍ケ岳の雄姿

大きな窓で仕切られ、槍ケ岳を見ながら入浴できる内風呂大浴場ごての湯(男性用)

 岐阜県奥飛騨温泉郷の一番奥、新穂高温泉の中にあり、清流の蒲田川沿いに位置する「槍見舘」。古民家造りの一軒家の温泉宿だ。北アルプスの名峰で、日本百名山の一つ「槍ケ岳」(標高3180メートル)が見えることから、この宿名となった。

 この宿の歴史は、1925(大正14)年に初代館主の林善之助さんが蒲田川の中に湧き出る温泉を発見し、すぐに湯治宿を開いたことから始まる。68(昭和43)年、2代目館主が不慮の事故で他界。以後、2代目の妻で、肝っ玉母さんの女将(おかみ)、林すぎ子さんが子育てをしながら女手一つでこの宿を切り盛りしてきた。

 81年に3代目館主の林英一さんと2代目の長女幸子さん夫妻がその経営を引き継いだ。英一さん夫妻は、かねて自分たちの夢であった宿作りを徐々に実現した。古民家を新潟から移築したほか、日本の古き良き時代の雰囲気をお客さまに味わってほしいとの思いから、2000年には全面リニューアルを行い、奥飛騨を象徴する古民家造りの宿に生まれ変わった。日本秘湯を守る会と日本湯宿を守る会の会員の宿でもある。

 コンセプトは、「大自然が与えてくれる『心のゆとり』、そして田舎の宿ならではの人と人とのふれ合いから感じられる『癒やしのひととき』を伝えること」。温泉は、「槍見の湯」と称される源泉温度58度、湧出量毎分350リットルの自家源泉1本、源泉温度65度、引湯量毎分90リットルの共同源泉1本から引湯した単純温泉と炭酸水素塩泉の源泉掛け流しの混合泉。

 宿の一番の自慢は、湯船から槍ケ岳の雄姿を望める内風呂大浴場(男湯は「ごての湯」、女湯は「かかの湯」)の他、川沿いの個性豊かで野趣に富む8カ所の浴場の「槍見舘 湯めぐり」を楽しむことができること。それら湯めぐりの詳細は次週に紹介する。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

●温泉のプロフィル●
【所在地】岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂
【電 話】0578(89)2808
【部屋数】和室15室(定員45人)、内湯付和洋室(バリアフリー)1室、露天風呂付離れ客室2室
【宿泊料金】1万7千円〜(1泊2食、いずれも2人1室、消費税・入湯税別料金)
【日帰り入浴】営業時間午前10時〜午後2時
【入浴料金】大人500円、小人300円
【定休日】不定休
【交 通】
・JR高山駅→(バス約80分)中尾高原口→(送迎車で約3分、要予約)宿
・中部縦貫道高山IC→(車で約70分)宿