連載・特集

大阪ロマン紀行

 大阪のDNAを感じさせる場所や企業、人を、独自の嗅覚を持つコラムニストの岡力氏が、関西に点在するオカルトスポットを、妖怪講座が人気の亀井澄夫・妖怪研究所所長が、代わる代わる紹介していきます。二人の案内人がお薦めする“ディープ大阪”を存分にお楽しみください。

嗚呼!!カーニバルプラザ

今回の案内人
岡 力(コラムニスト)
2012年4月13日
江坂のシンボルとして再デビューを果たしたリオちゃん

 1983年、北摂を代表する街「江坂」の紡績工場跡地にオープンした日本最大級の広さを誇るレストラン「カーニバルプラザ」。楽団が生演奏をしながら練り歩く店内、レストラン各所に設けられたアトラクションの数々。あのベストテンの生中継も入り近藤真彦さんが施設内で熱唱したこともあった。

 余談だが当時、小学生だった私はやじ馬根性丸出しで見に行こうとして親に「やめなさい!」と静止された。異国情緒あふれる雰囲気の中で外国産の大きなカニにかぶりつく至福のひととき。まさに「バブル」を象徴する夢の楽園だった。

 中でも印象的だったのが芸術家「岡本太郎先生」デザインのシンボルマーク。店前にデンと掲げられたモニュメントは、勇ましくもどこか愛嬌(あいきょう)があった。残念ながら2007年、レストランは、施設老朽化のため、閉店。24年間の歴史に幕を閉じる。

 同年、モニュメントは、吹田市立博物館で開催された「'07EXPO'70−わたしと万博−」展に伴い吹田市へ寄贈される。その際、展覧会の実行委員会で協議し「リオちゃん」と名付けられ博物館横の紫金山公園に設置。その後、吹田商工会議所60周年・吹田西ロータリークラブ30周年記念事業として人目に触れ恒久的に設置できる場所への移設話が浮上。

 さまざまな候補地が上がるもレストランがあった場所からほど近い生誕の地、「豊津公園」に2011年5月、当時の写真を参考に再塗装が施され立派な姿で里帰りを果たした。

 「カーニバルプラザは、太陽の塔同様、市民にとってシンボルだった。さまざまな人々の手によって江坂の地で再デビューしたリオちゃんをぜひ、多くの方に見ていただきたい」とモニュメント移設に協力された吹田にぎわい観光協会の瀧川紀征理事長は言う。

 今ほど気軽に行ける店舗もなく、家族にとってまだまだ外食が一つのイベントだった古き良き大阪を思い出すスポット。今なお、公園の訪問者をもてなす「リオちゃん」の顔が心なしかうれしそうに見える。

 プロフィル 岡 力(おか・りき)1975年、吹田市生まれ。関西を拠点に「80年代サブカルチャー」「上方文化」をテーマにしたテレビ・ラジオ番組企画、出版プロデュース等の活動を行っている。著書「アホと呼ばれた80`s」「関西トラウマ図鑑」(エンタイトル出版)、「噂の内股シェフ」(レベル)他。公式ホームページ http://www.okariki.com/

 (取材協力)(株)サンリバー、吹田市立博物館、吹田にぎわい観光協会
 ■スポット 「豊津公園」大阪府吹田市豊津町
 ■アクセス 大阪市営地下鉄・北大阪急行電鉄『江坂駅』北改札口徒歩2分

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