相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「風の神送り」

京料理「春神」
京都市中京区先斗町四条上ル 075(221)0011
午前11時〜午後3時、同5時〜同11時 不定休、予約可。
2016年12月3日

先斗町の絶品京料理

昼夜ともに人気のコース料理「先斗町」

 その昔、町内で風邪(かぜ)が大流行すると、“神の風送り”という行事をして退散させる風習があった。皆でお金を集めて、風の神の張りぼてを作り、夜中に川へ投げ込む。それが、たまたま川下で魚を獲(と)っていた漁師の網にかかる。張りぼてに精が移り、「わしは風の神じゃ」と威張(いば)る。漁師「それで夜網(弱身)につけ込んだな」。故桂米朝が復活させた珍品「風の神送り」だ。

 風の神を退散させるには、平和の女神「春和夜神(しゅんわやしん)」から南禅寺管長が命名された「春神(はるかみ)」のおいしい京料理を食べるに限る。口の肥えた高齢の男性4人組が、先斗町の百軒近い飲食店を余さず食べ歩き、「あんたの所が一番うまい!」と、月1回は必ず訪れるという店なのだ。

 「味だけでなく、おもてなしにも心を砕いております」と可憐(かれん)な容姿で評判の北村佳苗女将(かなえおかみ)が微笑(ほほえ)む。女将は、京・円山公園内で歴史を刻む「いもぼう平野家本店」の当主北村憲司さんの長女で、幼少よりえび芋の皮?(む)きから始めた料理界の申し子だ。

 厳選した京懐石が、昼間は、「春神」(2千円・全て税別)、「舞妓(まいこ)」(3千円)、「先斗町」(4千円)、「鴨川」(5千円・昼のみ要予約)の4コースがある。夜は、昼と同じ「先斗町」と「鴨川」、それに「高瀬川」(6千円)の3コースが用意してある。

 料理の内容から考えると、いずれもリーズナブルで、おまけに飲み放題の特典(プラス2千円)を加えると、もっとお得感が広がる。

 もちろん一品も50種ほどあり、「お造り3種盛り」(1200円)や「天麩羅(てんぷら)」(1500円)、さらに「鱧(はも)のおとし」や「松茸(まつたけ)の土瓶蒸し」など旬の料理に人気がある。

 1階テーブル席、2階掘り炬燵(こたつ)式和室が、全て個室なので、気兼ねなく楽しめる。舞妓や芸妓(げいこ)を呼ぶことも可能だ。京名所で京美人の京風接待による京料理を味わう。その上に京文化が満喫できる。“京味”いっぱいだ。

(演芸評論家)