相羽秋夫のお笑い食べまくり

東京講談「徂徠豆腐」

中国酒家「菜都」
大阪市天王寺区東高津町9の18
06(4305)3893 午前11時半〜午後2時半(ランチのみ)と、午後5時半〜同10時(但(ただ)し食材が売り切れ次第終了)
日曜休(他に不定休あり) 夜のみ予約可
2017年2月11日

絹ごし使った麻婆豆腐

95%のお客が食べる「麻婆豆腐」

 江戸元禄期に、幕府の政策に力を発揮した儒学者荻生徂徠(おぎゅうそらい)は、世に出るまで、大変貧乏をした。見かねた近所の豆腐屋が、無料で毎日豆腐1丁を運んだ。出世した徂徠は、その思いに報いるため、立派な店を作りプレゼントする。主人の男(おとこ)気を知った客で、店は大繁盛をする。おなじみ「徂徠豆腐」という東京の読み切り講談だ。

 来客の95%が注文するほど美味な「麻婆(マーボー)豆腐」を名物にしているのが、中国酒家「菜都(さいと)」である。

 中国料理の大家内田和夫師にともに学んだ藤重勇作オーナーシェフと森中俊成接客担当で2代目店主が、3年をかけて作り上げた傑作だ。絹漉(ご)し豆腐を使って、本場の中国四川省から取り寄せた辣(ラー)油と唐辛子をたっぷり入れる。その上にミンチに下拵(ごしら)えをするのが特徴である。「口当たりが滑らかで初めて経験する食感だ」と、遠い所からも訪れる人が多く、材料が無くなり次第、店を閉める。

 他にも、阿波(徳島)産の高級ポーク使用の「酢豚」、プリプリ感を活(い)かした「海老(えび)チリソース」、さらに「肉味噌(みそ)レタスチャーハン」「和(あ)えそば汁なし担々麺」など、全て850円(税別)と、とにかく安価でうまい。2人以上20人までのコース料理(3日前までに要予約)は、3500円から。

 ランチメニューは、やはり「激辛麻婆ランチ」(834円)と「麻婆ランチ」(788円)が圧倒的人気で、激辛の上の辛さを好む人は、申し出ると次回に希望を叶(かな)えてくれる。

 紹興酒「古越龍山(こえつりゅうざん)5年」(180ミリリットル450円・ボトル1950円)や、あの「山崎ハイボール」(480円)など、酒家にふさわしい名酒が並ぶ。「ホテルの味を安価で」が2人のモットーだ。

 「麻婆豆腐を食べると、高額な契約が必ず成功する」という熱狂的なファンもいる。

 昨年の流行語大賞候補「斉藤さんだぞ」の向うを張って「菜都さんだぞ」

(演芸評論家)