相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語「秀吉の猿」

2017年4月22日

日本酒に合う名物湯豆腐

50年の歴史を誇る「名物・湯豆腐」

 太閤秀吉が可愛(かわい)がっている猿は、誰彼となく家来たちの頭を鉄扇で叩(たた)くので嫌がられていた。秀吉が居ない時に、伊達政宗がこの猿に仕返しをした。それから猿は、秀吉と政宗の間に立って、自分がどう身を処したらいいか思い悩み、叫ぶ。「猿とは辛(つら)いね」。“東雲(しののめ)節”の歌詞を踏まえたオチの噺(はなし)「秀吉の猿」である。

 秀吉が京洛の地に終(つい)の住処(すみか)として建てた“聚楽第(じゅらくだい)”は幻の邸宅だが、大阪・鶴橋の“焼(やき)肉通り”にある居酒屋「聚楽」は、50年の歴史を刻んでいる。

 京都出身の人気俳優佐々木蔵之介の家系に縁が深く、彼の実家「佐々木酒蔵」が醸造する日本酒の銘柄から店名を付けた。だから、この店では清酒「聚楽」(180ミリリットル350円、全て税込み)がメインになる。辛口で口当たりが実にいい。

 この酒に合うのは、「名物・湯豆腐」(280円)だ。木綿と絹ごしの中間ぐらいの豆腐を使用。それに、とろろ昆布、青葱(ねぎ)、柚(ゆず)を刻んで乗せる。その上からたっぷりの秘伝の出し汁を掛ける。

 「親父(おやじ)の頃からこの値段なので、上げるに上げられないんですよ」と、脱サラで2代目を継いだ園田高史さんは、名物を継承することに情熱を傾ける。他に、「おでん」(10〜5月、120円から)や、「もやし炒め」(420円)、「特製玉子焼」(380円)、「洋食焼」(400円)といった鉄板焼にも人気が集まる。

 さらには、季節の香りいっぱいの小鉢物が、カウンターにずらりと並んで食指が動く。仕上げは「鶏ぞうすい」(480円)にリクエストが集まる。「アサヒスーパードライ」大びんが550円、焼酎各種が350円と安い。だから3階までの全42席は、いつも近鉄やJRの終電までにぎわう。せっかく盛り上がっているのに帰るとは「さりとはつらいよ」

(演芸評論家)
居酒屋「聚楽」
大阪市天王寺区下味原町2の8 06(6774)5007
午後5時〜午前0時 日祝休 予約可


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