相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「花筏」

2017年5月13日

元力士の和食店

お客さんに人気のある店主夫婦

 大関花筏(はないかだ)が病気になった。だが播州高砂(現在の兵庫県高砂市)での10日間興行が決まっているので、容姿がそっくりな提灯(ちょうちん)屋を大関に仕立てて連れて行く。病気のはずなのに、鯨飲馬食で夜這(よばい)いまでして顔色もよい。一方で本職相手に勝ちっ放しの素人相撲が現れ、ついに大関と対戦する羽目となる。しかし立ち合い一瞬で相手が尻もちをついて勝負あり。勝因を問われ「提灯屋だけに“張り”がうまい」。上方落語「花筏」である。

 店主鳥山一郎さんは青森県出身で、同郷の元関脇陸奥(むつ)嵐が興した安治川部屋に入門、陸奥の花のしこ名をもらう。引退後、料理好きだったこともあり、専門店で修行をして15年前に和食主体の店「食いしんぼう 花」を開店した。大阪の春場所で、かつての同部屋の宿舎だった天理教明愛分教会内の一角。同部屋を引き継いで、日馬富士や照ノ富士らを育てた現在の伊勢ケ浜部屋(元横綱旭富士)が今も宿舎として使っている場所だ。

 単品(300〜2500円、全て税込み)は40種ほどできるが、季節によって変化する。1番人気は、舎利(しゃり)に一工夫がある「うなぎの棒ずし」(2500円)だ。おみやげにする人も多い。「平目(ひらめ)ウニ巻き」(1200円)、「白子茶碗(ちゃわん)蒸し」(冬期のみ、900円)や、塩・味噌(みそ)味の「チャンコ」(共に1600円)は、絶対に見逃せない。

 会席風に提供される「花御膳」(4千円、9月のみ開店謝恩のため半額)や、「コース料理」(3500円より、2人以上で要予約)は、40人まで収容可能な大広間で味わうと趣が倍加する。会社の宴会、家族の慶弔、さらには各種会合に引っ張りだこという。完全配達の「弁当」(価格相談)もある。酒類は「生ビール」(400円)、「焼酎」(350円より)、「日本酒」(大500円、小300円)とお手頃だ。

 「生まれ変わっても力士になりたい」と言う店主と、「大きい人が好き」で店主に惚(ほ)れた礼子夫人の行き届いた接客にもファンが多い。“花も味(み)もある”店と見た。

(演芸評論家)
食いしんぼう 花
大阪市東成区東小橋2―9―4
06(6971)0056
午後5時〜同11時 水曜休、予約可。