相羽秋夫のお笑い食べまくり

東京落語 「三軒長屋」

創作中国料理 「AKA」
大阪市阿倍野区阪南町1の50の8
電話06(6623)8011
午前11時〜午後2時半(ランチ)と、同5時半〜同11時 無休 予約可
2017年5月20日

文化財長屋で創作中華

文化財の四軒長屋で4軒のグルメ店が競う(右端が「AKA」)

 ある三軒長屋の両端は鳶(とび)職の親方と剣道の先生が、真中にはお妾(めかけ)さんが住んでいる。鳶の若い衆が喧嘩(けんか)したり、剣術の稽古で日々騒々しい。妾がそれを嘆くと、旦那が「この長屋を買い取って両端の2軒を追い出すので、それまで辛抱しなさい」と慰める。これを知った両端の二人が仕返しをすることから大騒動になる。東京落語「三軒長屋」である。

 大阪市営地下鉄御堂筋線昭和町駅4番出口から徒歩1分の所に、築83年の四軒長屋がある。“寺西家阿倍野長屋”として、文化庁から登録有形文化財に認定され、大阪都市景観建築賞大阪市長賞に輝く町家である。

 住人が全員転居したのを機に、原型を残したまま店舗にし、耐震工事を施して募集したところ、たちまち4軒の店子(たなご)が集まった。その1軒が創作中国料理「AKA(あか)」だ。中国料理の命である炎を象徴する赤を店名とした。

 本場の広東料理に、和洋の手法をたくみに取り入れた創作メニューを含めた、クオリティーが高くてお手頃な値段の上に、熟年層に懐かしく、若者には新鮮な店構えが評判を呼んで、根強い人気を誇っている。サラダ、スープ、メイン料理、点心、揚げ物、麺飯料理、デザート、ドリンクの「季節の味覚ランチメニュー」(1860円、全て税込み)が、昼の一番人気だ。

 夜は、このランチをさらに充実させた「季節の味覚お任せコース」(5150円)や、「単品から選べるコース」(3950円)が、家族連れや職場の仲間たちのお目当てになる。

 「小さい頃に親といらした子どもさんが、成長して恋人と一緒に来店されたのには感激しました」と、リピーター客の期待を裏切らないよう“変らぬ努力”を心掛ける鳥本鉄也マネジャーの感慨だ。

 「閼伽(あか)」は仏に供える水のことだが、「AKA」は、神様のお客への供物を作る店である。

(演芸評論家)