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「日本ジェラート協会副会長」の美佐さんと美伸さんの姉弟 |
神社の境内で、男が捨て子を見つける。その赤ん坊は、男が芸者に産ませた子だと分かる。泣く子に母乳を呉(く)れる家を捜していると、2階から乳を捨てている所に出会(でくわ)す。飛び込むとそこに当の芸者が居る。男は薄情な芸者と縁を切る。タレント落語家の草分け的存在だった初代森乃福郎口演の「乳貰(ちちもら)い」である。
ミルクといえば、ジェラート(アイスクリームのイタリア語)が恋しい季節になった。茂木(しげき)美佐さんは、32年前の19歳の時、本場イタリア国内の食べ歩きに魅了され、現在大阪でも10店に満たないジェラート専門店「チルコドーロ」を開店した。“金の輪”という意味の伊語で、たくさんの人の和を大切にすることと、祖父の故郷の金毘羅(こんぴら)宮の紋章を意識した店名である。
アイスクリームより乳脂肪分が低く、あっさりしているのにコクがあるのがジェラートの特徴だ。茂木さんは、素材の鮮度に徹底してこだわり、旬の間だけ作るものが多い。40種ほどのメニューがあるが、お勧めはミルク味の「クリーミィクリーミィ」(240円・全て税込み)、チョコ味の「アモーレ・デッラ・ハーナ」、「シチリアのピスタチオ」、茂木さんがジェラートマエストロコンテストで準優勝した、オリーブを使った「アドリア海の黒真珠」(全て360円)、そして店のある町名から命名した「松屋(まっちゃ)町の抹茶(まっちゃ)」(260円)など。
さらには、イチゴ・メロン・イチジクといった果物や、ニンジン・米などの種類もある。ちなみに米を使った商品名は「銀シャリくん」と言う。全国発送(梱包(こんぽう)と送料は別)はもちろんのこと、「お誕生日ジェラートケーキ」(3240円)もある。
美佐さんと販売担当の実弟美伸(よしのぶ)さんの従兄弟(いとこ)が、トミーズ雅さんだけに、2人は大阪風ノリツッコミでシャレっ気十分だ。精算の折には、例えば百円を百万円とコールする。「払えない」とお客が応ずると、「トイチ(10日で1割の利息)で貸す」と切り返し、「うちは高利貸(こうりが)し(氷菓子)店です」。
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