相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「二番煎じ」

2017年7月15日

本場より美味、中国とスリランカの茶

スズの急須で出てくる紅茶

 厳寒の季節には町内で火の用心を呼び掛ける。当番の町人たちが防寒のため、番小屋で酒を風邪薬と偽って飲んでいると、役人が現れる。「儂(わし)も風邪気味なので…」と言って、すっくり飲んでしまう。「もうない」と断ると役人「町内を回ってくる間に、二番を煎じておけ」。漢方の煎じ薬が主流だった時代の「二番煎じ」という落語である。

 紅茶を自分で二番にも三番にも煎じて喫することができる珍しい店「leaf(リーフ) fish(フィッシュ) tea(ティ)」が、今年1月にオープンした。

 澤田及雨(きゅうう)店長は、大阪市役所の役人だったが、退職して中国に渡る。2年後に帰国してさまざまな職業を経験するも、中国で味わった紅茶が忘れられず、輸入紅茶それも中国とスリランカに限定した喫茶店を開いた。「4千年の歴史を持つ本場中国の紅茶は、イギリスなんかより、はるかに味の重み、深さが違います」と絶賛する。 喫茶と魚釣りが趣味なので、特技のデザイン力を生かして、緑色主体の魚を描いた店のロゴがまず決まり、そこから“魚の茶葉”の意の店名が出来た。

 メインメニューは、ラプサンスーチョンまたはスリランカのどちらかの紅茶、白茶(紅茶よりも古い茶葉)、ジャスミン茶、ウーロン茶の中から1種を選び、これに自家製のクッキーとケーキが付いた「drinks(ドリンクス) tea」(500円、全て税込み)。大阪錫(すず)器製のスズの急須(煎茶用器具)に茶葉ごと入れられて提供される。カップ1杯半の湯量だが、いくらでも湯をつぎ足してくれるので、心ゆくまで堪能できる。紅茶葉は持ち帰り可能(400円から)。午前11時までの「モーニングセット」(500円)やその後の「昼からセット」(800円)もぜひお試しを。

 店もカウンターも茶器もグリーン一色。どこかの女性知事と似ているが、店主は“緑(みどり)”ならぬ“縁(えん)”も“縁(ゆかり)”もない。

(演芸評論家)