相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「吉野の山薯」

2017年8月19日

山芋料理で夏バテ解消

ママいち押しの「とろろ御膳A」

 吉野の山奥で、1人の若い男が山芋を掘っている。芋の根が深い所にあるので、少しずつ掘り進むうちに、いつしか穴の上に尻だけが見える格好になる。そこへ大峰山での修行を終えた山伏が下りてきて、若い男との間に大騒動が起きる。珍品中の珍品「吉野の山薯(いも)」と題する上方落語である。

 山の芋、とりわけ自然薯(じねんじょ)は、古来より疲労回復や病気予防に効果があると伝えられてきた。この自然薯を用いたメニューを名物にしているのが、京の名所の一つ、東山・円(まる)山公園内の瓢箪(ひょうたん)池(通称大正池)の近くで、15年の歴史を刻む「大正ロマン亭」だ。砂崎孝子ママと姉の西田正子さんが中心になって、5人姉弟が集まる場所として作った店を、一般に開放した。

 一押しは「とろろ御膳A」(3500円・全て税別)。薯蕷(とろろ)、自然薯サラダ、焼き魚、生麩(ふ)田楽、野菜炊き合わせ、胡麻(ごま)豆腐、酢物、?菜水雲(じゅんさいもずく)の8品に白飯または麦ごはんと赤だし、香の物のセットである。6品の「とろろ御膳B」は3千円。他にも「麦とろろごはん(小鉢、赤だし、香の物付)」1800円、「とろろそば」「じねんじょサラダ」「同そうめん」「同炒(い)り焼き」がいずれも1300円と、バラエティーに富んだ山の芋の献立がある。

 「湯どうふ膳」「冷やっこ膳」は、天ぷら付で共に3500円。単品やそばとうどんのメニューも豊富で、緑に包まれた公園の散策の後で、体と胃袋を癒やすには十分である。

 食後の喫茶と甘味類も完備。中でも「アイスコーヒー」(630円)は、浮かぶ氷がコーヒーで作ってあり、最後まで味が薄くならない。コーヒーに小豆餡(あん)を入れた「珈琲(コーヒー)ぜんざい」(750円)は絶品だ。夏期のかき氷も好評。

 京の街を着物で歩くキャンペーンが展開中だが、この店に来れば着崩れをママが無料で正してくれる。

 明治は遠くなったが「大正ロマン亭」は、あなたのすぐ近くにある。(演芸評論家)

レトロの味でひと休み  「大正ロマン亭」
京都市東山区八坂烏居前東入円山町7の3
075(541)1220
午前10時〜午後6時、木曜休。予約可(会席料理は要予約)