相羽秋夫のお笑い食べまくり

東京落語「落語禁止法」

2017年10月21日

ラーメンでない中華そば

お客の6割が注文する「さかえや中華そば」

 「落語は国民の勤労意欲を奪う娯楽だ」との理由で、禁止法が制定される。落語家は途方に暮れ、次々に転業する。林家木久扇・木久蔵親子などは、屋台のラーメン店を始める。だが落語を求める人は多く、非合法のCDやDVDがよく売れる。そのため、数年後に禁止法が廃止されるが、肝心の落語家がネタをすっかり忘れていた。東京の桂米助作「落語禁止法」である。

 「子どもの頃に食べた味が忘れられず、それがどこにもないことを知って、自分で作ろうと決意しました」と、40年来の割烹(かっぽう)店を辞め、昨年12月に開店した田計(でんけい)亮さんは、中華そば「三代目さかえや」の主人になった。初代は富山県で開業。二代目は現在も岐阜県高山市で営業している。従兄弟(いとこ)に当たる二代目から学んだ味に、三代目がさらに工夫をこらした。“ラーメン”ではなく、あくまで“中華そば”にこだわる。昆布、鰹(かつお)、鯖(さば)、潤目鰯(うるめいわし)、鳥ガラ、さらに脛(すね)の豚骨から採った出し汁を命とする。豚骨を使いながら澄んでいるのが特徴で、醤油(しょうゆ)と醸し出す味が、縮れた卵麺(めん)に実にうまく調和している。これぞ田計さんが子どもの頃に食べた、あの中華そばなのだ。

 焼(やき)豚、半熟卵、海苔(のり)、もやし、白葱(しろねぎ)、メンマが華麗に組み合わされた「さかえや中華そば」(750円、全て税込み)は、お客の6割が注文する超人気メニューである。他にも「白しょうゆ油(あぶら)」650円、「味噌(みそ)」850円、「ネギ油」780円、「チャーシュー」980円、「ゆず塩」800円がある。

 ランチタイムには、これらのメニューが、玉子(たまご)かけ、黒おぼろ、かやく、白の4種のご飯食べ放題で、同料金の特典が付く。

 夜のみ「缶ビール」と「缶酎ハイ」(共に350円)、1品(150〜400円)もメニューに加わる。

 息子の貴士さんの四代目も約束され、まさにこの店は「繁盛(さかえ)屋」である。

(演芸評論家)
中華そば「三代目さかえや」
大阪市中央区南船場1の12の22 ハートンホテル南船場1階
06(6251)0515
午前11時〜午後3時、同5時〜同10時
日曜休