相羽秋夫のお笑い食べまくり

東京落語「もう半分」

2017年10月28日

女性独りでも気楽に入れる

女性独りでも気楽に入れる「咲楽や」

 居酒屋に貧相な老爺(ろうや)が来て、酒を茶わんに半分だけ注文し、呑(の)み干すと「もう半分」と言っては何度も追加する。最後に酩酊(めいてい)して、百両近い大金を忘れて帰る。老爺の娘が吉原に身を売って得た大金だ。老爺は悲観して身投げ自殺をする。そこから意外な展 開を見せる怪談「もう半分」である。

 この7月に開店したばかりの呑みどころ「福島 咲楽(さくら)や」には、誕生日当日のお客だけの特別シート「お誕生日席」が用意してある。

 この粋なアイデアを考えたのは、毎日新聞の関連会社で25年勤務して女将(おかみ)になった前川香織さんだ。アルコール好きで人間好き。自分で店を持った方が安くつくと悟り、JR大阪環状線福島駅近くの聖天通り商店街の一角に、こぢんまりした女の城を築くに至る。

 「女性独りでも気楽に来てほしい」と、全てに安い。鹿児島県産のウイスキー「マルス」のハイボールが400円(全て税込み)、「ジャックダニエル」でも480円だ。「黒霧島」などの焼酎は、ボトルが2500か2600円で、グラスは370と380円。地酒の名酒「八海山」(新潟県産)や「春鹿」(奈良県産)は、180ミリリットル600円。生ビール中ジョッキ430円、瓶ビールは500円である。

 料理も、低料金に設定してある。20種ほどの1品は、300〜600円に納まる。人気メニューをご紹介すると、「揚げ出し豆腐」(450円)「ミソダレチキンカツ」(500円)といった揚げ物や、「赤ウインナー」「だし巻たまご」(共に350円)「山芋ステーキ」(400円)などの焼き物、さらには仕上げの「トロロ茶そば」(450円)がある。

 デューク・エイセス「女ひとり」の♪京都大原三千院…ではないが、♪大阪福島3千円…で、“女ひとり”が、身も心も癒(いや)すことができる。

(演芸評論家)
呑みどころ「福島 咲楽や」
大阪市福島区福島8の19の1
06(4967)8480
午後5時〜同11時 日祝休 予約可