相羽秋夫のお笑い食べまくり

東京落語 「月の盃」

2018年1月27日

おまかせコース2種

月替わり料理の1品

 ある殿さま、参勤交代で江戸に滞在中に、吉原の花魁(おいらん)に熱を上げる。国元に帰るが、花魁を忘れられず、足の速い男に頼んで、盃(さかずき)と酒を届ける。花魁が呑(の)み干した返盃(へんぱい)を持って、男は300里の道程(みちのり)を帰るという、スケールの大きい豪気(ごうき)な物語「月の盃」である。

 月替わりで20種近い、酒と相性のよい献立を提供している店が、酒肴(しゅこう)「大阪まんぷく堂」である。15年ほど前、中国料理のコックだった芦田テツオ店主が、点心と酒の「大阪饅福(まんぷく)堂」を開いたのが最初だ。店の名物の“焼饅頭(まんじゅう)”から店名を採った。その後、店主は和食にも目覚め、7年程前に、店名の表記を改めて再スタートを切る。

 料理は、おまかせのコースが2種類のみ。7品コースが4600円(全て税別)、10品コースが5400円だ。いずれも、懐石料理のように、1品ずつ出てくる。芦田さんが、食べ歩きや専門書などからヒントを得て、どんな料理が酒に合うかを、ひたすら追い求めた逸品ばかりだ。「素材をどんなに変化させても、きちんとそれが何かが分かることを心掛けています」との店主の心意気が伝わり、「やさしい味だ」「値打ちがある」と、大好評なのだ。将来的には、二つのコースの献立を全く同じにして、質の違いで差別化したいとの構想を持っている。

 一方、料理と合う酒を探した結果、「美酒一献(いっこん)」(90ミリリットル450〜550円)と呼ぶ日本酒が、毎月8種ずつ替わる。2度ほどアルコール度が低い「低アルコール酒」(同400〜500円)が4種。「お燗(かん)メニュー」(同450〜500円)が5種。40種近い裏銘柄もあるのでぜひ相談されたい。もちろん、ビール、焼酎、ワインも完備している。

 店主は、“月”替わりの肴(さかな)と、“盃”に満たした美酒で、遠くのあなたとのご縁を待っている。

(演芸評論家)
酒肴「大阪まんぷく堂」
 大阪市東成区大今里西3の4の14
 06(6972)1199
 正午〜午後1時半(ランチ・不定期)と同6時〜午前0時 
 水曜休(不定休あり) 予約可


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