相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「声のかんづめ」

2018年2月24日

多彩な缶詰 朝まで楽しめる

300種の缶詰がずらりと並んだ壮観な店内

 現代はカセットテープやCDもちょっと古くなってネット配信が全盛だが、その前身であるレコードすらなかった時代。なんとか有名人の声を蒐集(しゅうしゅう)し、商売にしようと考えた男がいた。男は、缶に声を詰めることを思い付き、“声の缶詰”を売り出した。買った人は、ふたを取るとその声が聞けるが、一度切りなので不評に終わる。先代の桂文我が創作した「声のかんづめ」である。

 酒類のアテは全て缶詰という珍しいバーの草分け的存在が、「なんばHatch(ハッチ)」の川向かいに、2002年にできた「mr(ミスター).kanso(カンソ)本店」だ。川端嘉人(よしひと)会長と啓嗣(けいじ)社長の親子は、缶詰め文化の先進国スペインの缶詰専門店が酒類を提供することにヒントを得て、こうしたスタイルを考案した。

 400種類のストックから、常時300種類を店頭に置く。スタッフで試食をして厳選するが、オリジナルが8種ある。1番人気の「だし巻き」を筆頭に「たこやき」「激辛カレー」(以上550円、全て税込み)や、「ぶり大根」「パエリア」「鯛(たい)めし」「だし巻き明太子(めんたいこ)ソースかけ」(以上650円)、それに「鯖(さば)」(800円)と、定番からユニークなものまで幅広い。

 「“だし巻き”は、日本一おいしいですよ」と川端社長は自信満々。「将来は、全て自家製缶詰にしたい」と、壮大な夢を描く。客の中には会席料理よろしく先附(さきづけ)からデザートまでの缶詰を次々注文する、という粋な楽しみ方をするグループもある。

 ビール350円、ハイボール400円から、80種のカクテル500円から、と廉価だ。缶詰はテークアウト可能。通販や大阪・百貨店の阪急うめだ本店で直販するなど、家庭でも楽しめる。

 評判を知って、フランチャイズ加盟店が45店になった。缶詰の倉庫のようで、缶詰だけの簡素な店内なので、“カンソ”と店名を命名した。ぜひ1度足を運んで、“感想”を聞かせてほしい。

(演芸評論家)
缶詰バー「mr.kanso本店」
大阪市西区南堀江1の5の26
キャナルテラス堀江2階
06(6536)1333 午後5時〜午前2時(金・土は同5時まで)
無休・予約可