相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語「日本一のコシヒカリ」

2018年4月15日

美味な土鍋ご飯

昼の3500円コース

 都会のビル街の一角に先祖が遺(のこ)した農地を必死に守り、「日本一高い地価の田んぼで作る、日本一おいしいコシヒカリだ」と自負する親父(おやじ)がいた。息子が後を継ぐのを嫌がるので親父は、田植えの体験学習に小学生を引率してきた女教師と息子を結婚させ、農家に引き留める作戦を考える。6代桂文枝の創作「日本一のコシヒカリ」だ。

 京都御所の南端にある日本料理「さかい」は、ユニークなサービスで、日増しに人気を高めている。フルオープンのキッチンで、カウンター6席(他にテーブル4席のみ)に座ったお客は、調理の全工程が眺められる。

 京懐石ほど堅苦しくないコース料理が、昼は6品、夜は8品出た後に、酒井俊二オーナーシェフの生まれ故郷、丹波篠山産のコシヒカリを、特注の信楽焼の土鍋で炊いたばかりの白ご飯が提供される。これをご飯と同時進行で巻いた出し巻玉子(たまご)と、ちりめん山椒(さんしょう)、それに自家製の漬物と一緒に食べる。ご飯のお代わりは自由だし、大食漢には、出し茶漬けが用意されている。

 篠山産のコシヒカリは、甘み、粘り、白さが特長で、「私が食べた中で一番おいしいです」と酒井シェフが太鼓判を押す。さらに、洗った米を90分間水に漬けてから炊くのが、最も米の旨(うま)味が出るという。だから、予約を受けた時間から逆算して火を付け、炊き上げる。「ご飯だけいただくことはできませんか?」と言うお客がいるほど、ご飯一本で十分商売ができる高い水準を誇っている。

 コース料理は、昼が3500円(全て税別)と5千円。夜は6500円と8千円。四季に応じて厳選した日本酒は、20銘柄ある。好みで60、90、120、180ミリリットルの分量で、飲み分けることができる。料金は、180ミリリットルの基準価格(900〜1200円)から、分量で分割計算する。

 ともあれ、飯(まま)をしっかり食べて、ママの慈愛を再確認したい。

(演芸評論家)
日本料理「さかい」
 京都市中京区御幸町通丸太町下ル毘沙門町553 御幸町ビル1階
 075(231)6901
 正午〜午後1時と同6時〜同8時(この時間内に入店すれば滞在時間制限なし)
 水曜休 要予約