相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「苫ケ島」

2018年6月24日

今月リニューアルしたばかり

人気抜群の創作料理の数々

 紀州(和歌山県)の殿様が、久しぶりに江戸から戻り、領内の苫(とま)ケ島に狩猟に出かける。その最中に雷雨に遭い、大蛇が現れて殿様を呑(の)み込もうとする。家来の一人が、大蛇の鼻を打つと血が吹き出す。そこで首筋の鱗(うろこ)を3枚抜くと血が止まる。“鼻血を止めるには、首の毛を3本抜くと良い”との呪(まじな)いを踏まえたオチの落語「苫ケ島」だ。

 同県新宮市から、立派な料理人になろうと青雲の志しを抱いて来阪した中谷仁司(ひとし)オーナーシェフが、今月20日に9年続いた店「匠和(しょうわ)」をリニューアルオープンした。

 150品もの献立の中で、まず「お造り盛り合わせ」(2千円から・全て税別)がお勧めだ。紀州沖や近海の旬の魚が8種ほど皿の上で踊る。酢漬けや油揚げの蓮根(れんこん)と野菜を合わせた「蓮根サラダ」(800円)、茹(ゆ)でてからバターで炒める「焼きえだ豆」(350円)、蟹(かに)入りあんかけの「蓮根まんじゅう」(680円)、「ローストビーフ生うにのせ」(2千円から)、「和牛ガーリックライス」(780円)など、中谷シェフの創作メニューが人気を集めている。11月から3月までは、「てっちり」(3500円から)や「匠和のちゃんこ鍋」(3千円から)など5種の鍋物が好評で、店主は新しい発想の鍋を考案中という。

 6品からのコース料理は、4千円からあなたの予算に合わせてくれる。希望すれば、昼間の宴会(2階座敷で20人まで)も可能だ。

 各地の名酒を常時10種近く置く地酒(500円から)が自慢で、特に福井県産「黒龍」(1200円から)は、必ず飲んでほしい。旬の小松菜やニンジンにレモンを混ぜた「生野菜酎杯(ちゅうはい)」(600円)はこの店の特製だ。

 これらの味とシェフの人柄、美夏(みか)夫人のかいがいしいサービスに魅せられて、この3年間、一日も欠かさず通う83歳の老客がいる。きっと“昭和”の味が忘れられないのだろう。

(演芸評論家)
魚と鍋の旬菜料理「匠和」
大阪市阿倍野区昭和町1の4の33
ハイツシャルマン1階
06(6626)1100
午後5時〜午前0時 月曜休 予約可 (御節(おせち)・仕出し料理受け付け中)