相羽秋夫のお笑い食べまくり

東京落語 「泣き塩」    

2018年7月8日

女将が旬の味提供

店の名物「あさりの塩バターラーメン」

 昼間の路上で、武士と若い女が泣いている。通りかかった“焼き塩”屋の男も、つられて泣きだした。群衆の1人が女に理由を聞くと、嬉(うれ)し泣きだと言う。武士は女から「手紙を読んでくれ」と頼まれたが、無学で読めず悔し泣きをしていた。男は、早合点のもらい泣きに引っ込みがつかず、大声で「エー、泣き塩屋でござぁーい」。東京落語の珍しい噺(はなし)「泣き塩」である。

 しこたま飲んで食べた客が、相棒に「この後、ラーメン食べに行くか」と囁(つぶや)いた一言を胸に刻んだ季節料理「みかさ」の多田恵子女将(おかみ)は、「店で、おいしいラーメン作ってやる」と一念発起。完成させたのが、貝の出(だ)し汁にバターと天然塩で味つけした「あさりの塩バターラーメン」(800円。全て税別)だ。これが大好評で、今や店の看板メニューになった。

 祖父が創業し、両親が引き継いだ寿司(すし)「三笠」を、10年前にひらがな表記に改め、旬の味覚を提供する店にした。400円から1800円までの60種近い「本日のお献立」の中から女将推奨のメニューは、「小さい頃から魚を見る目は自信があります」という「お造りの盛り合わせ」(1200円から)だ。「たまごと山芋のふわふわ焼き」と「海老(えび)とたまごの揚げパン」(共に500円)。「季節のグラタン」(1200円)や、「カリカリじゃことお豆腐のサラダ」(700円)。さらには、女将が勤めていた名店の名物メニュー「曽根崎“門”のサバサンド」(900円)は、必ず納得のいく逸品だ。

 地酒にも力を入れ、常に全国の名酒を10〜15種(110ミリリットル、600円前後)用意して、あなたがきっと“帰って”きてくれることを信じている。「みかさ」は、スペイン語で“ミカーサ”と発音すると、“私の家”の意になるからだ。

(演芸評論家)
季節料理「みかさ」
大阪市中央区東平2−4−1 ウェルネス上本町1階 
06(6761)0030 
午後5時〜同11時 
日曜休 予約可