相羽秋夫のお笑い食べまくり

上方落語 「地震加藤」

2018年7月22日

東北との絆の海鮮類

石巻の海で育った4年物の「リアス1粒の生牡蠣」

 強情で詫(わ)びることをしない男に、隠居が我慢の大切さを説く。「加藤清正は、小西行長や石田三成に中傷されて秀吉の怒りを買うが、じっと堪(た)える。“桃山の大震災”の時に、真っ先に秀吉の安否を心配して駆け付けたため、勘当を解かれた」と。上方落語「地震加藤」である。

 2011年3月11日。当時22歳の武岡禄基(ろくき)青年は、東日本大震災の未曽有の惨事を知る。親族と恋人の死に接したばかりだったこともあり、人の命の大切さを痛感。バスを仕立てボランティアを搬送することに専念し、石巻や気仙沼に足しげく通う内に、東北の人々との強い絆ができた。三陸沖で取れる魚介類を大阪で広め、東北の人に元気になってもらおうと、牡蠣(カキ)や帆立て貝を使う料理を提供する「叶(かな)えや」を、昨年12月にオープンさせた。

 30種ほどできる1品(250〜1800円、全て税込み)の中で、「金華鯖(さば)の生ハム」や「金華カツオのタタキ」(共に780円)、「リアス1粒の生牡蠣」(600円)、「牡蠣の酒カン焼き(1800円)などは、東北の味の代表例だ。焼く・煮る・揚げるが同時にできるフライヤーで揚げる「山芋唐揚げ」(580円)と「ホルモン天」(550円)は、油分が半分に抑えられるのでヘルシーと評判である。

 「爆裂トマトもつ鍋」(1400円)や「台湾モツ鍋」(1500円)は、国産和牛のモツを使った高垣良照店長推薦の鍋。2人前以上で注文してほしい。7品の3千円コースから、献立内容が指定できる9品の6500円コースまでの各コース料理は、要予約である。

 新潟の「牡蠣のための日本酒IMA」(90ミリリットル800円)や山形の「楯野川」、熊本の「一ノ蔵」(共に同700円)は、武岡オーナーが“自信”を持ってお勧めする、“地震”に打ち勝って歴史を刻む各地の名酒である。(演芸評論家)

心斎橋酒場「叶えや」
大阪市中央区心斎橋筋1−3−29 ミヤプラザ心斎橋3階電話06(6251)1060 
午後5時〜午前0時 
水曜休 予約可