きらめきびと

多くの人に希望と勇気を与えたい

岸田 昌幸さん
中小企業再生支援コンサルタントで『社長がホームレスになって見えたこと』を出版
2017年12月12日

 企業経営者からホームレスへ。会社も家庭もすべて失ったが、企業コンサルタントとして復活した。その軌跡をもとにした本『社長がホームレスになって見えたこと』(ギャラクシーブックス刊)が好評だ。

 大学を卒業後、広告代理店に就職。3年後、デザイナーとして起業した。大阪を本社に東京、カナダにも会社を設立し「高級住宅地で“セレブ生活”を満喫していました」。

 しかし、49歳のときに社員による5億円持ち逃げ詐欺に遭い、会社は倒産。債権者の怒号を背にしながら、選んだ道はホームレスだった。「当時の私の全財産は50円。社員と共犯者たちを訴えようかと思いましたが、弁護士費用を準備できる状況ではありませんでした」

 そうした中、ある一人の銀行員と喫茶店で会った際、その銀行員は「私個人の感謝の気持ちです」と封筒を差し出した。中には1万円が入っていた。「涙が止まりませんでした」。その1万円は今も大切に保管している。

 日雇いで日銭を稼ぎながら、図書館通いを続け、金融と法律について猛勉強。「私のように困っている人を助けたかった」。約半年でホームレス生活を切り上げ、コンサルタント業を開業した。

 顧客開拓のため、クライアントには成功報酬のシステムをアピール。「私の仕事で業績がアップし、利益が出たときだけコンサルタント料を受け取る仕組みを提案。お客さまを増やしていきました」。

 本には“ジェットコースター人生”を振り返りながら、人生訓を紹介。「少しでも多くの人に希望と勇気を与えたい」と話す。兵庫県西宮市在住、61歳。