きらめきびと

設立60周年 常に攻めの姿勢で

浪速鉄工代表取締役
堀川 忠彦さん
2018年9月3日

 産業機械や工事現場などで使われる吊(つ)り具「アイボルト」の国内トップシェアを誇る、浪速鉄工(本社・港区弁天町)の舵(かじ)取りを任されて12年。「自ら動いて発信する」と、攻めの経営方針を貫いてきた。設立60周年の節目を迎えた今年、見据えるのは世界市場だ。

 社長に就任したのは2006年で44歳の時。米国の大学を卒業後、眼鏡メーカーの第一線で働いてきたが、弟の真男専務の「力を貸してほしい」との願いを受け入れた。

 実行したのが、「守りから攻め」への転換。当時、すでにアイボルトの国内シェアは不動。04年には、吊り上げ方向に360度回転、吊り方向に180度可動する「マルチアイボルト」の開発・製造にも成功していた。

 堀川社長自ら全国のクライアントを営業に回り、展示会に積極的に出展。カタログには浮世絵を使ってインパクトを持たせ、製品をアピールした。

 横吊りに対応したマルチアイボルトは、現場の安全管理を追い風に販売は好調で、3年以内で生産を10倍にする見込み。「今までの仕掛けが実ってきた」と、59期は過去最高の売り上げを達成した。

 主力商品とは別に、「鉄を身近に感じてほしい」と、大道芸の道具など個人のオーダーメードにも対応。鉄製の耳かきもプロデュースするなど、今後も新規事業に意欲を示す。

 「利益が出ているうちに、景気に左右されない基盤をつくる。ものづくりの基本、“なにわブランド”の良い物を発信していきたい」。56歳。