来阪catch

知的サスペンス劇

映画「22年目の告白−私が殺人犯です−」
監督 入江 悠
2017年6月11日

韓国作品を大胆翻案

「主演の2人の化学反応で面白くなった」と話す入江悠監督=大阪市中央区の読売テレビ
藤原竜也(左)と伊藤英明(C)2017映画「22年目の告白―私が殺人犯です―」製作委員会

 韓国映画「殺人の告白」(2013年)を大胆に脚色した「22年目の告白−私が殺人犯です−」(ワーナー・ブラザース映画配給)が大阪ステーションシティシネマほかで上映されている。藤原竜也(35)と伊藤英明(41)がW主演した作品で「深い知的サスペンス劇で、どんでん返しまで飽きさせない」という入江悠監督(37)に話を聞いた。

 「韓国はこの手のサスペンス映画が得意で面白い作品が多い。プロデューサーから『殺人の告白』の日本版を作りたいと話を持ちかけられた。平田研也さんの翻案脚本が出来上がっており、これが面白くて監督を引き受けた。ミステリーやサスペンスの映画をやりたいと思っていた時だった」

 話題になった出世作「SRサイタマノラッパー」(2009年)で日本映画監督協会新人賞を受賞。同シリーズを何本か手がけ、メジャー系の「日々ロック」(12年、松竹)、「ジョーカー・ゲーム」(15年、東宝)と躍り出て、今回待望のサスペンス映画のチャンスがやってきた。五つの殺人事件で逃亡中の犯人が時効を迎え、名乗り出て起きるスリリングな物語だ。

 「とてもリアルで面白い話だが、韓国と日本では法律も違うし、ある程度話を作り替えないと成立しない。その脚色に僕も参加し、そして犯人に藤原さん、彼を追い続けた刑事に伊藤さんが決まり面白い化学反応が起きる気がして興奮しながら撮影に入った」

 巨匠ヒッチコックを参考に「まずは藤原さんが特異な犯人を出過ぎずクールで不気味に演じスタートし、22年前に犯人逮捕を逃がした刑事の伊藤さんがハードに向き合った。水と油のような2人がどう変化していくか。その執念と葛藤を見てほしい」。

 犯人は時効だから堂々と世間に出て告白本を出し、テレビなどマスコミの人気者になる。「そんな犯人に手が出せない刑事。一方でかつて彼に殺された犠牲者の遺族の怒りがメラメラと燃えて、異様な雰囲気。テレビで人気のキャスター(仲村トオル)が間に入って、視聴者の前で犯人と刑事が対峙(たいじ)するという展開になる」

 やがて事件の真実が浮かび上がってくるが、それはまだ序章に過ぎない。面白いのは別の第3者が「おれが本当の犯人だ」と名乗り出ること。「特に韓国版と違うのはここから。伊藤さん演じる刑事に行方不明になった妹(石橋杏奈)がいて、殺人事件とどう絡んでいるのか。彼女は生きているのか。藤原、伊藤、仲村の俳優3人の対決と、野村周平、夏帆、岩城滉一、早乙女太一ら共演者の出番にも注目してほしい」

 ところで入江監督はすでに新作「ビジランテ」の撮影に入っている。大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太のアウトロー3兄弟が埼玉県深谷市で繰り広げるアクション活劇。「メジャーで原作ものが続いたので、自分のオリジナル世界に帰ってみた。これは12月公開予定なのでよろしく」と笑顔を見せた。