来阪catch

タップ映画の夢、実現

映画「TAP THE LAST SHOW」
監督・主演 水谷 豊
振付・出演 HIDEBOH
2017年6月18日

終盤のショーに注目

「撮影現場では一人二役みたいになって取り組んだ」と話す水谷豊監督(右)とHIDEBOH=大阪市北区の東映関西支社
水谷豊(C)2017 TAP Film Partners

 「相棒」シリーズなどの水谷豊(64)が初めて映画監督に挑戦したミュージカルドラマ「TAP THE LAST SHOW」(東映配給)が大阪ステーションシティシネマほかで上映中である。「20代からの夢がやっと実現した」という水谷監督と、振付でコンビを組んだHIDEBOH(49)に話を聞いた。

 「20代のころからタップダンスの映画を作りたいと思っていた」という水谷。「結局20代で実現できず、30代、40代とチャンスをうかがったが無理で、50代になって諦めた。それが60代になって4回目のチャンスが訪れてようやく。むろん、若い頃は主人公の若いダンサーを演じるつもりだったが、今回は初老のタップの振付師で、その父親的な役に」

 水谷が演じるのは半世紀の歴史を持つ劇場が看板を降ろすことになり、そのラストショーを飾る舞台の演出を頼まれる振付師・渡真二郎。「盟友の劇場主に岸部一徳さんが扮(ふん)して、一緒にオーディションで若いダンサーを選びショーを作る。本当は僕も踊りたかったのだが、それは諦めることに」

 タップダンスの振付はビートたけしが主演した映画「座頭市」(2003年)で振付・出演を担当したHIDEBOHで「水谷さんの頭の中に踊りのイメージがあって、ラスト24分の『春夏秋冬』のショーシーンは監督から構成表をもらってそれをもとに作った」と経緯を話す。

 「昔、ブロードウェイの舞台を見て、その素晴らしさに感動し涙した。人間がそこまでできるのかと思った。それがイメージにあるので、僕の注文は振付などスタッフは大変だったと思う。MAKOTO役の清水夏生君ら主演の5人のダンサーも本物の実力者で、懸命に努めてもらった」と水谷監督。

 「タップの映画を作りたいということと、監督をするというのは別で、それを引き受けるのは、他の監督に失礼だと思ったが、プロデューサーから、長く温めていた企画だから自分で監督するのが一番いいと勧められて、覚悟した。撮影中に自分の役の出番と重なるときは、目をつぶっているシーンでも思わず目を開けて現場を見て監督の眼になっていたそうで、自分では分からなかった」

 HIDEBOHは「水谷さんは役の渡を演じているのは自然だが、監督のポジションに比べると存在感が薄い。だから、撮影現場であくまでも水谷さんは『監督』だった。それでいて、映画を見ると『狂気と優しさの老振付師』になりきっているのだからすごい」と感心する。

 映画のオーディションのシーンで、渡の水谷がステッキを強くたたいてダンサーを促すシーンがある。「あれはHIDEBOHから教えてもらってやったが、ステッキが本当に折れて迫力があるシーンになった。ラストのショー場面も見事に仕上げてもらったので期待して」と水谷はパートナーの力をたたえた。