来阪catch

人生にメリハリを

映画「泥棒役者」
監督 西田 征史
2017年11月18日

笑えてリアルな成長譚

「カッコいい成長物語にしたかった」と話す西田征史監督=大阪市内のホテル

 芸人から舞台の脚本・演出家、さらに映画・ドラマの脚本家を経て映画監督も務める西田征史(まさふみ)(42)の新作映画「泥棒役者」(ショウゲート配給)が18日から、TOHOシネマズ梅田ほかで全国公開される。映画単独初主演となる関ジャニ∞の丸山隆平(33)が主演した監督2作目は「笑えてリアルな成長譚(たん)」という西田監督に話を聞いた。

 芸人で芸能界デビューし、舞台俳優に転向後、脚本・演出も兼ねるというプロセスを経て映画「ガチ☆ボーイ」(2008年)の脚本で一躍メジャーに躍り出た。「ほかの人が書いた舞台劇の映画化だったけれど評判がよくてラッキーだった。これがやりたいということでなく、やりたいことを舞台、映画に合わせてやる、そんなスタンスで取り組んできた」

 映画監督デビューは向井理と片桐はいりが主演した「小野寺の弟・小野寺の姉」(14年)で高評価を得た。「あれは順番でいうと自分が書いた小説を舞台化し、映画にした。舞台、映画の脚本だけでは食っていけないので多角戦略というところで、そこから僕の人生が始まったといえる。そして2作目は10年前に舞台でやった『泥棒役者』を引っ張ってきた」

 舞台で片桐仁が演じた泥棒の主人公を映画版は関ジャニ∞の丸山が務める。「丸ちゃんとはほかの舞台で一緒に仕事をして、明るいけどどこか寂しそうな影もあって、泥棒の役が合っていると思った。舞台で役名がなかったが丸ちゃんには大貫はじめという名にした。片桐さんは別の役で出てもらっているのでお楽しみに」

 はじめ君は昔泥棒をして少年院に入れられた過去があるが、今は真面目になって恋人の美沙(高畑充希)と暮らしている。「舞台は笑いが中心だったが、映画のはじめ君はもう少しリアルな人生で、幅を持って生きてもらおうと思った。昔のことを知る悪友の先輩(宮川大輔)に脅され、絵本作家(市村正親)の屋敷に忍び込むことになる。そんな青年のおかしな体験を彼の成長体験として描こうと思った」

 はじめ君たちが忍び込んだ屋敷では絵本作家が執筆中で、さらにセールスマン(ユースケ・サンタマリア)、絵本作家に原稿催促に来る編集者(石橋杏奈)らが登場し、はじめ君がその度に対応し、とんだ“役者”を演じることになる。

 「市村さんがとてもお茶目な芝居で、ユースケさんがテキトーにリアルでとてもおかしい。それを受けて丸ちゃんが戸惑うのが面白い。石橋さんが真面目な編集者で状況を判断し彼らの脱線を収拾しようとする役どころで頑張ってもらった。扉の裏に隠れている泥棒の宮川さんがいつ姿を見せるかも見どころ」

 NHK朝ドラマ「とと姉ちゃん」やアニメシリーズ「TIGER&BUNNY」などの脚本で作劇術の幅が広い。「主人公が頑張るカッコいい成長物語にしたい。人生にはメリハリを」。それが西田ドラマの核心になっている。