来阪catch

北海道オタクの3部作

映画「北の桜守」
主演 吉永 小百合
2018年2月24日

堅固な母親を新鮮に

「今までと違うタッチの作品になった」と話す吉永小百合=大阪市内のホテル
「北の桜守」の吉永小百合=(C)2018「北の桜守」製作委員会

 吉永小百合(72)の映画出演120本目に当たる「北の桜守」(東映配給)が3月10日から全国公開される。「北の零年」「北のカナリアたち」に続く「北海道オタク3部作」と吉永は笑顔でPRした。

 吉永は1959年に「朝を呼ぶ口笛」(松竹)で映画デビュー。翌年日活に移って赤木圭一郎主演の「拳銃無頼帳・電光石火の男」「霧笛が俺を呼んでいる」「拳銃無頼帳・不敵に笑う男」に出演。以降、同社の青春スターとして輝き、その人気は今日のどんなアイドルもかなわないだろう。

 その後は名作「キューポラのある街」(62年)でブルーリボン賞主演女優賞を受けるのをはじめ、「男はつらいよ」のマドンナはもちろん、高倉健と「動乱」(80年)で共演するなど文字通り日本映画のトップ女優として君臨している。その120本目の映画が今作で、メガホンの滝田洋二郎監督(62)は「彼女は特別な女優。そんなスターと一緒に仕事ができて、自分もここまで来られたと感慨深い」と形容する。

 吉永は「いろんな監督、スタッフ、そして俳優さんと共演させていただき、そのたびに助けていただいてやってきた。今回も劇映画では初共演の堺雅人さん(44)が私の息子を演じ、私をグレードアップしてくださったし、滝田監督とは初めての仕事だったが、とても臨場感がある映画になったと感謝している」

 堺が吉永と声の共演をしたのはアニメ映画「手塚治虫のブッダ−赤い砂漠よ!美しく−」(2011年)で「今回は実写で北海道オタクの私のために寒い北海道ロケに付き合ってくださってうれしかった。堺さんは温かい宮崎出身の方で、申し訳ないような気持ちだった。息子の堺さんは一緒に樺太から網走に帰るシーンや、後半の再会場面でとても優しい表情だった」と撮影時を振り返る。

 「北の零年」(05年)は北海道開拓村の主婦を、「北のカナリアたち」(12年)では過疎の町の女教師を演じた。「今度は、戦争末期に南樺太に住んでいた一家の主婦で、ソ連の侵攻で戦火に追われ北海道に渡り、兵隊に行った夫(阿部寛)の留守を守る堅固な母親の役。演劇的なシーンも取り入れられて、滝田監督のタッチが私の今までの作品と違うので新鮮だった」

 吉永は映画「動乱」の主題歌「花、闌(たけなわ)の時」(小椋佳作詞・作曲)をこの映画で歌っている。「後ろで一緒に阿部さんたちも歌ってくださった」とほほ笑んだ。

 篠原涼子、高島礼子、岸部一徳、佐藤浩市、笑福亭鶴瓶、中村雅俊、永島敏行らが共演。演劇シーンの演出はケラリーノ・サンドロヴィッチが担当している。