旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

ウソだろ!

2017年5月15日
フロントマンは“顧客満足”が第一

 真夜中の午前0時半。神戸市内のAホテルに予約を入れた。「これからですが、シングル予約取れますか?」。「はい、1部屋だけご用意できます。お客さま、会員さまでいらっしゃるなら会員カードを必ずご持参下さい」。

 早速ホテルへ向かいフロントへ。フロント係は電話中であり、目だけで小生にあいさつをしている。声を聞くと予約の際の声で、おそらく1人で業務をこなしているように見える。書き終えて会員カードを提示すると「本日は土曜日ですのでカードの使用はできません」。予約の際に必ず持参せよと言ったはず。

 ここで文句を言っても大人げないと思い、とりあえずチェックインを済ませ部屋に入る。遅い時間なのでシャワーを浴びて早めに就寝しようとバスルームへ。5分たってもお湯が出ない。仕方なくフロントへ連絡。先ほどのフロントマンが部屋へ。「この時間、営繕係もいません、お部屋を代えさせていただききます」

 しかたなく代替えの部屋へ案内してもらう。フロントマンは「本日はシングルが満室でツインルームしかございません」と言う。小生は「はい、大丈夫です。ありがとう」と。そしてフロントマンはこう付け加える。「つきましてはお客さま、ツインルームですので差額5800円追加料金になります」

 「ウソだろ! 設備の不備はホテルであって客の責任ではないはず」。ばかげたホテルもあるものですね。フロントマンの名札の下に“顧客満足”のワッペンが輝いていた。

 (ホテル・旅館プロデューサー)