旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

ホテルへの憧れ!

2017年5月29日
ホテルは夢を売るすばらしい職場

 小生がホテル業界に飛び込んだのは1970年代後半。田舎者の自分が東京の一流ホテルを見た時の感動は今でも鮮烈に覚えている。ただロビーにいるだけで、働いている人たちの立ち居振る舞いや丁寧でスマートな言葉遣い、語学力、無駄のない動作、すべてに感心し、自分の進路を決めた。

 ホテルに入社した後も、自分のホテルだけではなく、他のホテルを見聞し知識を得たものである。当時、同輩の誰もが憧れたホテルがある。日本からもっとも近い国際都市・香港にあるペニンシュラホテル。期待に胸膨らませ、憧れのペニンシュラホテルを訪れたことがある。

 そこでまず度肝を抜かれた。玄関先にロールスロイスと居並び風格のあるドアマンが立っている光景は、ホテルへ入ることにおじけづかせる。意を決して玄関を入ると、ものすごく広いロビーラウンジに再び驚き、カルチャーショックに見舞われた。興奮し、感激し、帰国した後、世界の一流ホテルも自らの目標に加えたものだ。

 われわれの時代のホテルマンたちは、こんなふうに自ら学び経験し、日本のホテルと共に成長してきた。ところが、本当に驚くことに、今の大学生、特に男子学生のホテル志望者が大変少ないという声を聞く。ホテルがどんなに素晴らしい職場か、一度、ペニンシュラを訪れてみてほしい。夢を売る仕事はすばらしいと感じるはず。

 (ホテル・旅館プロデューサー)