旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

うれしいネ!

2017年6月5日
「おもてなし」の心が行き届いた宿はうれしい

 宿を利用する際に気になるタオル類。ホテルではバスタオル、フェースタオル、ハンドタオルが常備されている。ビジネスホテルではバスタオル、フェースタオルの2種類が主で、たまにウォッシングタオルを置いてくれているうれしい宿もある。

 使用方法でよく愚痴を聞かされることが多い。例えばハンドタオルという名称から手ふきだと勘違いし、フェースタオルで体を洗い、せっけんのつきが悪いとこぼす。ご存じだと思うが、フェースタオルが手ふき顔ふき用で体の洗浄はハンドタオルだと認識してほしい。

 このタオルの話であるが、先日、地方の小さな旅館を利用した際に、ご主人から聞いた話に痛く感激した。その宿ではタオル洗浄を独自で行うとのこと。理由は重曹を原料とした洗剤を使用したいのでリネンサプライを利用していないそうだ。界面活性剤は不使用、泡立ちは悪いが、イオン分解できれいになるらしい。排水管もきれいに保て、すすぎも早く、水道使用量が少なくて済むとのこと。

 この洗浄液の中で金魚も生きられるという優れモノだ。加えて洗浄の際、柔軟剤は一切使用せずに洗い上げているという。多少ゴワゴワ感はあるが、アレルギー体質の方にも安心して使用していただけ、健康にもすこぶる良いという。

 まさに、お客さまを大切に考える「宿の流儀」を貫く二重丸の宿に敬意を表したい。「おもてなし」の神髄である。

 (ホテル・旅館プロデューサー)