旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

エクセレント!

2017年10月2日
サービスマンの対応と素晴らしい笑顔に感動

 地方のリゾートホテルで垣間見たナイスな接客サービスを紹介しよう。

 ホテル内のレストランでの出来事である。通常、シティーホテルなどのレストランでは、フレンチ、イタリアン等々、おのおののお店で予約を取り、基本的にはお子さまの入場はNOとされている場合が多い。

 しかし、リゾートホテルの場合は宿泊を含む都合上、家族利用などが多く、フレンチであれイタリアンであれ、コース料理を提供することが大半である。お子さま用のメニューも完備し、したがって家族での利用が多く、おしゃれにしっとり夕食を、というわけにはいかないケースが多い。

 その日、私は現地の友人とそのレストランに居合わせたのである。ワインを片手に食事も半ばに差し掛かったときである。レストランの中央あたりで夕食を取っていたご家族のお子さんが急に大きな声で泣き始めた。周りのお客さまもけげんな顔で注目している。それは仕方ないことである。当のご家族の方もそわそわと困り果て、子どもをレストランの外へ連れ出そうとしている様が見てとれた。

 その時、黒服のサービスマンがそのご家族のテーブルに笑顔で近づき「どうしました?」。ご家族は「すみません、すみません」。サービスマンは「大丈夫ですよ。ボク、おじさんを見て下さい」と泣いている子どもに話しかけながら、上着のポケットから細長い風船を取り出してあっという間にバルーンの剣を作って子どもに渡し、「しっかり食べて下さいね」と素晴らしい笑顔で対応していた。

 久しぶりに感動を覚えた瞬間だった。まさにサービスの達人ここにあり。

 (ホテル・旅館プロデューサー)