旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

無礼なスタッフ、高級店の条件は?

2017年11月27日
高級店の条件は礼儀正しく、温かい態度でお客さんに接するスタッフがいること

 先日、友人と東京のイタリアンレストランに行く機会があった。ミシュランの星を持つというレストランである。エントランスで迎えてくれたイタリア人らしき外国人スタッフが、イタリア語と片言の日本語で一生懸命接客する様子は好感が持てる。それなりの風格とイタリアンのカジュアルさを融合した感じのよいお店である。

 さてテーブルにつき、飲み物メニューを持ってきたのは先ほどのお迎えしてくれた外国人とは打って変わって、にこりともしない澄まし顔の日本人ウエーター。ついでにフードメニューを頼むと返事もしない。

 良い気分ではなかったが、気持ちを抑えて食事メニューを見ながら相談していると、飲み物を持ってきたのは先ほどの澄まし顔のウエーター。立ち去り際に「先に乾杯して下さい」。一瞬耳を疑った。どうしてそんなことを命令されるのか、いつ飲むのかはこちらの自由、カチンときた私は「帰る」と席を立った。

 別の外国人ウエーターがあわててテーブルに来て、とどまることを懇願してきたが、我慢できずに「また来るから」と心にもないことを言いながら店を出た。

 ホテルを含めて、高級とされる場所で、自分がお客より上と勘違いし、お客を見下したような態度をとるスタッフを時折見かけるが、高級店(ホテル)の条件はお客も含めて高級であること。どんなお客に対しても礼儀正しく、温かい態度で接するスタッフを見たとき、誰もが“さすが高級店”と感じるのではないだろうか。

 (ホテル・旅館プロデューサー)