旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

ブラボーな食文化

2017年12月4日
食のパワーあふれる「ひろめ市場」

 11月半ば、高知への1泊2日の旅に出かけた。本四海峡の明石大橋から淡路島、徳島、そして徳島道、高知道と乗り継ぎ、高知市内へ。

 高知と言えば、坂本龍馬をはじめ、仁淀川、桂浜、室戸岬等々、名所は尽きないほどあるが、今回の旅は食の視察を兼ねての旅ということで、目的は高知市内の「ひろめ市場」のみの狙い撃ちの訪問である。60件以上の店舗がひしめき、好きなお店で好きなものを注文でき、しかもそれをごった返す店内を配達してくれる。決してセルフサービスでないシステムにびっくりする。

 まさに「食が集う」の言葉がぴったりくる。今回で3回目の訪問であるが、何度来ても楽しい場所である。座る場所もなく、席を探して市場中をうろうろしてもそれがまた楽しく思えるのはなぜだろう。ものすごい活気と人の数が半端ではない。フードコートとして日本一はまず間違いないと思う。

 30分ほど席探しをした後、小さなバーの椅子に落ち着く。飲み物を注文し、最初にオーダーしたのはやはり名物、安兵衛の餃子(ギョーザ)と明神丸カツオの塩タタキ。隣の席はやはりというか、中国系のインバウンドのお客さま。反対側には県外からの観光客、そして地元のお客さまも相当な数で来て、楽しんでいるのが印象的であった。

 高知に魅せられて幾度となく訪れてはいるが、今やここ「ひろめ市場」のみの目的で十分高知が楽しめるのではないだろうか? 観光パンフレットなどではマイナー的な紹介程度だが、ここ「ひろめ市場」は高知のメインの商品になり得ると、心からそう思えるパワーがあることは間違いない。

 (ホテル・旅館プロデューサー)