旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

奈良天河神社〜洞川温泉街の散策

2018年3月19日
懐かしさに癒やされ、心に残る風景を楽しめる洞川温泉の街並み

 私の好きな場所10傑に入る大峰山、天河大弁財天社、洞川(どろがわ)温泉街。

 天智天皇の時代に役の行者(役の小角)により、わが国で初めて信仰の山として開かれたという大峰山。いまだに「女人禁制」が守られ、山伏修行の貝の音色が風に乗って聞こえ、荘厳な空気に癒やされる。みたらい渓谷の遊歩道の散策で目にする奇岩の光景と清冽(せいれつ)な湧き水とつり橋。マイナスイオンをたっぷりと浴び、「生命の洗濯」という言葉がまさにピタリと合う環境である。

 そして度々訪れる「天河大弁財天社」(通称・天河神社)を詣でる。御祭神は中央に弁財天、右に熊野権現(本地仏・阿弥陀如来)、左に吉野権現(蔵王権現)がお祀(まつ)りされている。神仏習合の形態を残しており、芸能の神様として有名である。特に能の奉納は圧巻である。

 そして洞川温泉街。ここは修験道の隆盛とともに大峰参りの基地として栄えた場所だという。風流な構えの旅館、土産物、飲食店が軒を連ね、特産とでも言おうか「陀羅尼助」という漢方薬は誰もが知るブランド薬である。懐かしさを体で感じる雰囲気の漂う街だ。役行者の高弟(後鬼)の子孫の里とも伝えられている。

 夕方から夜にかけての洞川温泉街はまた格別。明かりに照らされた縁側、射的屋、おいしい名水コーヒーの味わえる喫茶店など、心に残りゆく風景を楽しむことができる。そして締めは温泉。洞川温泉の泉質は弱アルカリ単純泉で、すべすべ感たっぷりの良泉。疲労回復に最適。温泉センターの吉野杉を使った内湯、露天風呂、ゆっくりと山のいで湯を楽しんでほしい。

 (ホテル・旅館プロデューサー)

 ※大阪方面から南阪奈道路終点葛城IC、高田バイパス経由国道169号、国道309号で洞川温泉へ(大阪市内から約2時間)。



サイト内検索