旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

天空の鳥居を訪ねて

2018年6月4日
天空の鳥居。時間の経過を忘れるほどの絶景が広がる

 四国香川県観音寺「天空の鳥居、高屋神社」。一度は行きたい場所であった。今回初めてこの讃岐の地を訪ねた。

 ここ「高屋神社」は四国に14ある延喜式内社の一つ。延喜式とは、延喜5年にまとめられた延喜式の巻9、10のことで、延喜式神名帳(えんきしきじんみょうちょう)に記載され、当時「官社」に指定されていた神社。格式の高い神社ということである。

 標高407メートルの稲積山の頂上に本宮があるため、「稲積神社」「稲積さん」とも呼ばれている。土の参道、岩の参道、最後の長い階段(270段)とまるで人間の一生を表すかのような道のりである。だらだらと行く土の道、岩の転がる道から石積みの階段道へ。途中に中宮もあり、「ゆるぎ岩」が鎮座。たまに野うさぎを目にすることもあるという。

 これを乗り切ると山頂本殿。まさに吹きさらし状態で、よく言えば自然のままのありさま。とにかく長くて急な階段である。登り切って石段に座り下界を眺めると、時間の経過も忘れてしまうほどの絶景である。

 海岸方面にはきれいな円すい形の山が目につく。これは甫草山(つくもやま)という。山頂には九十九(つくも)城跡があり、これまた天空の城といえるだろう。ここから見る瀬戸内の青い海はまさに紺碧(こんぺき)に輝いている。四国という場所はいつ訪れても新しい発見があり、探せば不思議な場所がまだまだ見つかる気がする。

 讃岐冨士をはじめ、円すい形の山の多さにもまた謎を感じてしまう。香川うどん県もユニークなPRだが、ミステリアスな側面をもっと掘り下げてみると香川の魅力も発信できると思う。観音寺の銭形砂絵、小豆島、金刀比羅宮、金毘羅歌舞伎等々、四国は宝の国のようである。

 (ホテル・旅館プロデューサー)