旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

顧客確保は現場の声を生かそう

2018年9月17日
レストラン常連客はホテル経営の安定につながる

 先日、横浜のAホテルからリニューアルオープンの案内が届いた。それはよかったと思いながら、何で私に? よくよく考えてみると数年前に宿泊したことを思い出した。夜遅くにチェックインし、チェックアウトは早朝であったため泊まったことさえ忘れていたくらいである。

 どこのホテルでも宿泊の際には住所を書くので、リストに登録されているのだろう。それを考えると筆者がしばしばレストランやコーヒーショップを利用している関西のホテルからは、まったくDMが来ないのが不思議に思う。顔見知りのスタッフからは常連客としての扱いを受け、またこちらも法事の行事や友人の宿泊を紹介したりしている。

 このホテルでは、数多くのレストランイベントなども開催していて、イベント案内でもあれば、また知っていれば食事に行きたいところだ。しかしながら案内が来ないので予定が分からず、友人と食事の相談をするときもこのレストランをつい忘れてしまう。

 ホテルのレストランでは住所を聞かれることはめったにない。宿泊や宴会に比べてレストラン、特にコーヒーショップでの個人売り上げなど微々たるものということで、営業部はリストに載せる気がないのだろう。大規模なホテルは各セクションが独立し、営業、広報などが独自に動いている感がある。すべては現場ありきのこと。一人一人全員が営業感覚を持たねばと切に思う。

 レストラン、バーのスタッフに、しばしば訪れるお客さまへDMリストへの登録を勧誘するように呼び掛けてみては。たとえコーヒーショップの利用であってもそのホテルに愛着をもってしばしば訪れてくれる常連客は、ホテル経営の安定にきっとつながるのではないかと思うのだが。

 (ホテル・旅館プロデューサー)