トレンド特急便

“妖怪版百人一首”始まる

2018年8月15日

クリエーターの思い凝縮 和泉の久保惣記念美術館で

百怪一首の猫又の展示パネルを手にする濱田さん
百怪一首の読み札の一部。歌は天羽孔明さん、絵はなんばきびさんの作

 妖怪を中心に不思議な伝説や怪談など百の話を集め、一つ一つの話を基に一首ずつ歌った句集カルタの展示・販売が始まった。百人の人物が一首ずつ歌っている「小倉百人一首」から本歌取りした狂歌仕立てで、すべて百人一首のもじりになっている。姫札や坊主札もあり、カルタ遊びとともに坊主めくりも楽しめる妖怪狂歌カルタ「百怪一首」。長年、妖怪に魅了されてきたクリエーターたちの思いが凝縮した“妖怪版百人一首”がブームを巻き起こすか。

 「春過ぎて 夏毛に変はる 猫又の 化けた衣装も 布地少なし」という歌に、薄物をかぶって2本足で立ち、尾が二つに分かれたネコの絵。描かれているのはどこか愛らしい猫又だ。

 和泉市久保惣記念美術館市民ギャラリー(同市内田町3丁目)で、14日に始まった「百怪一首展」(日本妖怪研究所、イルミタイ主催)に展示されているイラストと句の中の一つである。

 本歌は持統天皇の「春過ぎて 夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山」で、狂歌版について「春が過ぎ、猫又の毛も冬毛から夏毛に変わったので、化けたときの衣装も夏の薄物になった」と解説している。

 歌を作った作家の天羽孔明さんは「元歌のイメージを壊さないように作った。同じような妖怪の重複も避けた」と振り返り、絵を担当したイラストレーター、なんばきびさんも「天羽さんの歌の表現と向き合って描いた」と話す。ともに元歌を大切にしながら妖怪の特徴を織り込んでいくことに苦心。座敷童、かぐや姫、岩魚坊主など百首の展示には狂歌とイラストに加えて元歌と解説もあり、読み比べて理解を深めることができる。

 出発点は、妖怪好きの仲間たちがプライベートで天羽さんの句に既存のイラストなどを貼り付けて行っていた遊び。企画した妖精妖怪アートサロン「イルミタイ」(大阪市浪速区)の濱田さちさんは「大人と子どもがリアルタイムに顔を見て一緒に遊ぶツールになる」と意気込む。

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 開催期間は19日までで、午前10時〜午後4時半。18日には百怪一首を使った坊主めくり、コンテンポラリーダンスとエレキマンドリンによる妖怪パフォーマンスを実施。19日には百怪一首大会が開催される。入館料は一般500円、高・大生300円、中学生以下無料。百怪一首は、読み札と取り札100枚ずつに遊び方の説明書が付いて4800円(税別)。問い合わせは電話06(6634)0251、日本妖怪研究所、イルミタイ。