トレンド特急便

広がるシェアサイクル 相次ぐ参入 増える拠点

2018年9月5日

震災時の移動手段にも

ハローサイクルの拠点に並ぶ自転車=大阪市港区の大阪ベイタワー
ハブチャリの新しい拠点の開設でテープカットする関係者=大阪市中央区のNTT西日本高津ビル(ホームドア提供)

 複数の拠点間で自由に借りたり返したりできる自転車のサービス「シェアサイクル」が、広がりを見せている。大阪府内でも、事業者が自転車を置く拠点を増やしており、大阪メトロも事業進出を計画。府北部地震で交通網がまひした際に「自転車が役に立った」という声も上がり、「震災時の足」としても期待が高まっている。

 7月24日、大阪市中央区のNTT西日本高津ビルで、赤い電動自転車を前にしてテープカットが行われた。同ビルの空きスペースを活用したシェアサイクル「Hubchari(ハブチャリ)」の拠点の開設式だ。

 ハブチャリは、ホームレスの人たちが自転車の貸し出しや修理を行っており、ホームレス問題と自転車問題を同時に解決する取り組みとして、2013年にスタート。

 現在、大阪ガスビルや大丸心斎橋店など同市内の約40カ所に拠点を開設、約200台の自転車を用意している。

■無償で対応

 運用しているのは、ホームレス状態からの脱出を支援するNPO法人「Homedoor(ホームドア)」。6月に起こった大阪府北部地震では、鉄道が止まり、タクシーも動かない中で「すごく役に立った」という声が届いた。

 川口加奈理事長は「シェアサイクルは、帰宅困難者のセーフティーネットになる。震災に対応するには拠点をもっと増やさなくては」と話す。

 8月15日、同市港区の複合商業施設「OSAKA BAY TOWER(大阪ベイタワー)」にずらりと白い電動自転車が並んだ。「OpenStreet(オープンストリート)」(東京都)社が提供するシェアサイクル「HELLOW CYCLING(ハローサイクリング)」だ。

 同施設を中心に住之江、西、中央、港、此花、大正の6区の観光・文化などに触れる移動手段として推進する。「大阪府北部地震では無償で対応し感謝された」(広報担当)として拠点の拡大を図る。

■相互の利用を

 4月に民営化された大阪メトロも動きだす。18〜24年度までの中期経営計画には、都市開発事業の一つとしてシェアサイクルを盛り込んだ。シェアサイクル事業者と連携し、地下鉄・バスとの相互利用促進に向けて取り組む。

 24年までに全108駅にポートを設置する方針で、シェアサイクルと鉄道のパッケージ運賃や「OSAKA Pitapa」との連携サービスを検討している。「地下鉄やバスの補えないようなところを、毛細血管のように移動手段を提供できれば」(経営戦略室)と話している。