岡力の「のぞき見雑記帳」

シン・ゴジラが大阪出現!?

「模型屋 怪獣工房」
オーナー・南条茂則さん
2016年9月17日
店内の作品は購入も可能です

 今夏、空前の大ヒットとなった映画「シン・ゴジラ」。実は、無類の特撮映画好きという事もあり公開初日に作品を拝見した。正直なところ映画館には同世代といえる少数の中年男性しかいなかった。だが、上映が始まると妙なリアリティーと細部にわたるこだわりに感動。エンドロールの際、次々と観客が立ち上がり拍手を送る様にサブイボが立った。その頃、大阪の下町を背景にシン・ゴジラとにらみ合いを続ける一人の男性がいた。

 南条茂則さんは、1961年生まれ、大阪市鶴見区出身。プラモデルやガレージキットと呼ばれる模型の完成見本品を制作するプロモデラーである。高校卒業後に役者を目指し上京。当時、「Gメン'75」に出演し人気を博した倉田保昭氏が主宰する「倉田アクションクラブ」(KAC)に所属。スーツアクターとして多くのヒーローショーに出演した。

 20代後半で役者を引退。セカンドキャリアを模索する中、大手模型販売店から完成見本品の制作依頼を受ける。手掛けた作品は、好評を呼び幼少期から続けてきた趣味が仕事となった。その後、世界を代表するメーカー「海洋堂」より怪獣部門の制作依頼を受けるようになり、全国に多くのファンを持つプロモデラーとなった。

 今から11年前、地元に「模型屋 怪獣工房」を開業。店内では、商品の販売とこれまで手掛けた作品を陳列している。南条さんにお話を伺った。「古くから大阪は、クリエーターを輩出する教育機関やメーカーが多数あり特撮ファンにとって聖地でもあります。シン・ゴジラは、昔のひな型フォルムでありながらきっちり進化を遂げており、造形の観点からも素晴らしい作品です」。

 取材時、「シン・ゴジラが大阪に出現したら」というテーマで作品を制作していた。ゴジラの足元には、関西ならではの薬店や店舗がありユーモアを感じる仕上がりになっている。お店には、子どもも来るが商品購入の大半は大人だという。時間とお金に余裕を持てるようになった元少年でこれからもクールジャパンの啓蒙活動をしていきたい。

(コラムニスト)
■模型屋 怪獣工房
 大阪市鶴見区放出東3の20の9 電話06(6968)9334