岡力の「のぞき見雑記帳」

缶詰BAR LINDA

2016年10月1日

中年の哀愁漂う街「穴なんば」

カウンターで物思いにふけるマスター

 大阪を代表する歓楽街として注目を集める「裏なんば」。なんば駅の東側を指し細い界隈(かいわい)には多くの飲食店が立ち並ぶ。もはや、「裏なんば」というよりは「表なんば」と形容した方がよい。連日、多くの若者と観光客でにぎわうミナミに新たな「なんば」が出現し話題を集めている。

 「穴なんば」と書いて「あな なんば」と読む。場所は、難波中から旧歌舞伎座周辺を指し、語源は「穴場」に由来している。現在、点在する12カ所の店舗が連携し名称の啓蒙(けいもう)活動を行っている。発起人である泉たくとさんは、愛媛県の出身。歌手、ボーカルトレーナーを務める傍ら「唄フ缶詰マスター」の肩書で「缶詰BAR LINDA」を経営している。

 創業は、2012年10月1日。本日で4周年となる。1980年代にタイムスリップしたかのような雰囲気の店内。野球やアイドルに関する書籍やグッズが展示されており、サブカルチャーに囲まれながらお酒や料理を楽しむことができる。名物は、ずらりと並ぶ100種類の缶詰。マスターが全国から厳選したこだわりの逸品だ。そのまま食べてもおいしいが「サバ缶麻婆豆腐」や「大人のミックスジュース」といったアレンジ料理もオススメである。また、自身で考案したわがままメニューにも応えてくれる。

 「この辺りは、ガイドブックに載らないので常連だけでゆったりしたひと時をお楽しみいただけます。飲食していただいたお客さまにはサービスの一環として浜田省吾に扮(ふん)し歌声もプレゼントしています」と語る泉さん。

 ちなみに“浪速のハマショー”は、浜田省吾の楽曲であれば全てのリクエストに応えてくれます。年々、娯楽スポットの面積が拡大していくミナミの街。今後、はしご酒が増えそうだ。遊びや仕事に疲れた日は、癒やしを求めて「穴なんば」へ。男の巣穴と言える安住の場所で夜が更けていく。

(コラムニスト)
 ■缶詰BAR LINDA
 大阪市浪速区難波中1丁目18の10−2F、電話06(6647)7050、営業時間は午後7時〜午前3時(ラストオーダーは同2時半)、日・祝不定休