岡力の「のぞき見雑記帳」

縁の下の力持ちにスポット当てるプロジェクト「虹色のネジ」

2017年6月26日

モノづくりの大切さ伝える

左から、小林一博さん(エンジンズ)、安田真奈さん、河野裕社長(コノエ)、はりたつおさん

 多種多様な形状で人命を支える「ネジ」にスポットを当てた活動が話題を呼んでいる。エンジンズ(ゲーム制作)、コノエ(ネジ専門商社)、図書館流通センター(図書館総合支援企業)などが連携して昨年の6月から実施するプロジェクト「虹色のネジ」。大阪出身者を中心としたこの取り組みは、キャラクターや絵本等のコンテンツを介して縁の下の力持ちである部品「ネジ」を啓発。次世代を担う子どもたちに対してモノづくりの大切さ、面白さを知ってもらうことを目的としている。

 今年1月に発売された絵本「にじいろのネジ」(象の森書房 文・安田真奈 絵・はりたつお)は、モノとモノをつなぐネジの大切さをテーマとしたファンタジー作品となっている。

 文章を担当した安田さんは、関西を拠点に活躍する映画監督である。OL時代は大手電機メーカーに勤務。2006年にメガホンを取った映画「幸福(しあわせ)のスイッチ」では小さな町の家電販売店にスポットを当てている。今作品も「地味だけど大切な物に光を当てる」をテーマとし子どもの視点に立ったユーモラスな描写で表現。現在、ネジ工場を舞台にした男3世代子育て物語の映画化に向け構想を練っている。

 プロジェクト発足以降、さまざまな場所でワークショップが開催されている。工作教室や読み聞かせ学習など工夫を凝らした内容に「家の中のネジを探すようになった」と保護者から反響が寄せられている。

 最近は、プロダクトデザインの技術も進み家電製品の表面上に露出しなくなったネジ。しかし見えないところでしっかりと機能を支える様に慈しみを感じる。モノだけでなく、ヒトとヒトの絆を結ぶ小さなネジに感謝しながら今日も快適な日々を過ごす。

(コラムニスト)