岡力の「のぞき見雑記帳」

大阪イギー店主 奈良崎洋喜さん

2018年1月29日

関西文化守り 進化を

丁寧に小玉で焼き上げる

 「店名は『大阪の意義』に由来します。きちんとだしをとり、手間暇かけた本気のたこ焼きで関西文化を全国に周知させたい」。そう語るのは、創業6周年を迎えた「大阪イギー」の奈良崎洋喜さん。昨年の秋に出版された『ミシュランガイド京都・大阪 2018』(発行:日本ミシュランタイヤ株式会社/2017年)にも初めて掲載され注目を集めている。

 奈良崎さんは異色の経歴を持つ。大阪経済大学卒業後、テレビ制作会社に就職。その後、IT関連のサラリーマンを経て独立した。「幼少の頃から最後の晩餐は、たこ焼きと決めるくらい大好きでした。たくさんの店舗を食べ歩くうちに独学で研究を始め3年間ほどかけて理想の味にたどり着きました」。

 ウルメ、サバ、牛スープでとっただしを粉で溶き明石蛸(ダコ)の原種といわれる天草のタコ、国産黒毛牛A5ランクを具材に使用。材料のコストはかかるが安価での提供にこだわる。しかし調理に手間暇がかかりすぎるため、チェーン展開が難しい状況でもある。

 味だけでなく店舗の立地にも意義がある。「大阪の街を自転車で走り探しました。場所選びのポイントは三つあります。まずは、遠方からでも来やすい場所、次にお客さまの顔が日によって変化する、最後に誰もが知っている有名な街です」。結果、大阪の下町を代表する街「十三」に決定した。

 大通りに面し近隣には区役所がある。ビジネスホテルに宿泊する外国人観光客にも好評である。都心からも近く多くの芸能人や文化人も癒やしと味を求めて足しげく通う。生地にしっかり味が付いているのでマヨネーズとカツオのトッピングがおすすめ。名は店を表す、大阪の“意義”が詰まったこだわりの逸品をご賞味あれ。

(コラムニスト)
 ■大阪イギー 大阪市淀川区十三東2の3の10、午前11半〜午後8時、土・日・祝定休