岡力の「のぞき見雑記帳」

スパイス料理研究家 カワムラケンジさん

2018年7月16日

心も身体も元気になる魅惑の世界

スパイスは自然由来の生薬であり調味料

 「仕入れ先は多様です。取材先での買い付け、輸入業者、商社、農家から頂くことも多いです」。多くの香辛料を前にそう話すのはスパイス料理研究家のカワムラケンジさん。

 1965年大阪府藤井寺市生まれ。幼少期、特に夢はなかったが思い立ったらすぐに動いてしまう性格。草むら探検や近所の食卓へお邪魔してごちそうになるのが趣味だった。同じキャベツのセン切りでもところ変われば形状や提供の仕方が異なり面白かった。食卓を介して各家庭の音や匂い、さらには家族の関係性も見えてきた。

 多くの飲食店で調理を経験し98年からの3年間は、三重県松阪市でインド料理「THALI」を営業した。傍らブルースバンド憂歌団のファン会報紙に書いた「カレーと憂歌団」がきっかけで「ぴあ関西版」にてコラムの連載が開始。2010年には、専門誌「スパイスジャーナル」を創刊した。5年間にわたり独自の視点で深掘りした唯一無二のリポートは、多くの読者に支持された。15年まで定期的に開催していたスパイス研究会に参加の各専門家とは今でも交流を深めている。

 現在、レシピ開発にいそしむ毎日。テレビ、雑誌、イベント等で積極的にスパイス生活の魅力を発信している。今年6月には『おいしい&ヘルシー!はじめてのスパイスブック』(カワムラケンジ著、幻冬舎)を出版。おいしいスパイス料理の入門書として覚えておきたい基本知識と効能をわかりやすく紹介している。生活習慣病や二日酔い対策といった不調を治すところまで切り込んでおり、中高年の男性にも読んでほしい一冊となっている。

 「早く現場(お店)に復帰したいですね。ただ今の飲食業界は、情報のうねりに対して戦々恐々の印象を受けます。そこへ必死になると本物が消失していくと思います。いろいろと考えあぐねています…」。スパイスとは「植物の乾燥物」であり「夢のかたまり」と形容するカワムラさん。「GOOD FOR HEALTH!」を合言葉にあくなき挑戦は続く。

(コラムニスト)