岡力の「のぞき見雑記帳」

「酒と音楽とおばんざい おと」 店主 松元一寅さん

2018年12月3日

仕入れとライブ感を大切に

手製の品書きから気迫を感じる

 「30回来たらいつも違うお店づくりにこだわっています。日々、自分の感覚で仕入れをしているのでアルバイトが雇えないですね(笑)」。カウンター越しでそう語るのは、2016年創業「酒と音楽とおばんざい おと」を経営する松元一寅さん。約90種のお酒、数万曲に及ぶBGM、こだわり食材で作る逸品を提供する居酒屋だ。経歴も実にユニークである。

 鹿児島県出身、大学卒業を機に就職で上阪した。大手スーパーや飲食店チェーンで働く傍ら、昔から好きだった音楽活動にも力を注いだ。2009年にはロックバンド「フレデリック」に加入。ドラムを担当し会社とライブハウスを行き来する両立の日々が続いた。

 翌年、音楽活動へ専念。メジャーデビューし大阪城ホールの舞台にも立った。活動は順調だったが「自分の店を持ちたい」というもう一つの夢を追いかける事を決断しメンバーを脱退。家業が繊維関係の仕事をしていた事から、なじみのあった東三国で自分の城を築いた。

 「この辺りは、夢を持った若者や単身赴任者といった一人で来られるお客さまが多いです。さまざまなニーズに応えるため店内のBGMもオールディーズから最新のアンダーグラウンドミュージックまで幅広く取りそろえております。今後は、音楽と飲食を融合したイベントも実施していきたいです」。

 これまでの取り組みを余すことなくサービスに反映する松元さん。店内に貼る品書きも独自の感性で丁重に書いている。良質の酒と音楽と料理を堪能しながら、師走の夜が更けてゆく。

(コラムニスト)
 ■酒と音楽とおばんざい おと
 大阪市淀川区宮原2の13の18 リイチビル2F、日曜定休、午後6時〜午前2時(※金、土、祝日前は同3時)、電話06(7710)5923