岡力の「のぞき見雑記帳」

「相川力餅食堂」

2019年1月7日

親子二代で守る伝統ののれん

メニューを一新した店内は多くの若者でにぎわう

 幼少の頃、阪急相川駅が最寄りだった。ホームから階段を下りると西改札口には「吹田方面」と表記されていた。吹田市に住んでいた私にとって大阪市に位置する東改札口は憧れの土地だった。そのせいか「あっち」(東側)で食べる外食には心が躍った。お気に入りは、徒歩0分の場所にあるうどんと和菓子のお店だった。

 創業45年、「相川力餅食堂」は親子で経営する老舗店である。初代店主の小林正司さんは、15歳の時に京都で和菓子職人となった。その後、赤川で営業していた親戚の力餅食堂に転職。「のれん分け」の決まりは8年以上だったが14年にわたる修業の末、この場所で開業した。

 創業の地が但馬である事から店主も同郷の方が多い。ごあいさつの際に頂いた名刺には「出身地:兵庫県豊岡市日高町上石」としっかり明記されていた。余談だが日高町にある中学生名簿の職業欄には、「力餅」は一つの職種として書かれている。

 独立後は、店主がメニューを考案する。学生街にある同店は、増量の「びっくりうどん」や餅の入った「力うどん」で人気を博した。8年前よりIT会社で勤めていた息子の小林健司さんが店を手伝いのれんを引き継いだ。意外だったのがこれまでの業務形態を一新したという。

 「先代の人柄でこれまで常連の方にお越し頂いておりましたが仕入れを変えました。時代の流れでお客の好みも変化します。雰囲気を守りつつ新しい力餅食堂を作っていきます。これからも長くここで営業したいです」と語る二代目。言葉の通りうどんに使用する麺や和菓子の餡子は全て自家製。だしは、昆布からこだわり若年層に受ける味付けになっている。

 効率化が先行する時代に頼もしい後継者が伝統を守っている。店奥にはきねが交差するロゴマークののれんがかかる。これからも親子で仲むつまじく切り盛りしていく。

(コラムニスト)
 ■「相川力餅食堂」
 大阪市東淀川区相川2丁目20番9号、電話06(6340)2733


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